■スタラシャヤナ・ペルマル寺院について■
南インド、タミル・ナードゥ州のベンガル湾沿いに佇む古代都市マハーバリプラム。
そこは、パッラヴァ朝の王たちが残した壮大な石窟寺院や岩彫り彫刻で知られる世界遺産の地です。
しかし、この歴史的な海岸都市には、もう一つ、訪れる人々の心を深く捉えて離さない聖地が存在します。
それが、ヴィシュヌ神を祀る「スタラシャヤナ・ペルマル寺院」です。
この寺院は、ヴィシュヌ派の聖地の中でも特に重要な108のディヴィヤデーシャムの一つに数えられ、その起源は神話の時代にまで遡ります。
寺院の最大の特徴は、その御本尊の姿にあります。
多くの寺院で豪華な神蛇アナンタの上で優雅に横たわるヴィシュヌ神が、ここでは大地に直接その身を横たえています。
その類い稀なる姿の裏には、一人の聖仙への深い慈愛に満ちた物語が秘められています。
この寺院の最も中心的な物語は、プンダリーカという名の高潔な聖仙の伝説です。
プンダリーカはヴィシュヌ神への篤い信仰心を持ち、来る日も来る日も美しい蓮の花を摘み、それを捧げることを日課としていました。
ある日、プンダリーカはいつにも増して素晴らしい1008輪の蓮の花を見つけ、これを海の向こうにあるヴィシュヌ神の住まう乳海まで届け、その御足に捧げたいという強い願いに駆られました。
プンダリーカは、一心不乱に海の水をかき出し始めました。
常人には不可能と思えるこの行いも、プンダリーカの揺るぎない信仰心の前では妨げになりませんでした。
その献身的な姿に心を打たれたヴィシュヌ神は、プンダリーカの信仰を試すと同時に、その労を早く終わらせてあげようと考えました。
ヴィシュヌ神は、疲れ果てた老人の姿に身を変え、プンダリーカの前に現れ、食べ物を乞いました。
敬虔なプンダリーカは、目の前の老人を助けることを優先し、食べ物を探しに一旦その場を離れました。
そして、急いで戻ってくると、そこには驚くべき光景が広がっていました。
老人の姿はなく、代わりに、プンダリーカが捧げようとしていた1008輪の蓮の花をその身にまとったヴィシュヌ神が、大地に直接横たわっていたのです。
プンダリーカが戻るのを待ちきれず、しかし蓮を受け取りたい一心で、ヴィシュヌ神は乳海の神蛇アナンタを呼ぶ間もなく、その場で横になってしまったのでした。
この伝説から、この寺院の主は「スタラシャヤナ・ペルマル」(大地に横たわる主)と呼ばれるようになりました。
この物語は、帰依者の純粋な信仰に対し、神がいかに早く、そして深く応えようとするかという慈悲の心を象徴しています。
神話の舞台となったこの地が、今日見られるような壮麗な寺院として形作られたのは、南インドの歴史と深く関わっています。
考古学的な証拠から、この寺院の起源はパッラヴァ朝の時代(8世紀頃)に遡ると考えられています。
マハーバリプラムの他の石窟寺院群を築いた王たちによって、最初の祠が建てられたと推測されています。
かつてこの地には「七つのパゴダ」と呼ばれる7つの寺院が存在したという伝説があります。
そのうちの6つは海に沈み、現存するのは海岸寺院のみだと語り継がれてきました。
スタラシャヤナ・ペルマル寺院も、元々は海辺にあり、浸食によって破壊された後、現在の場所に移設・再建されたという説が有力です。
その後、寺院はチョーラ朝の時代に大規模な増改築が行われ、さらにヴィジャヤナガラ王国の庇護のもとで、現在見られるような複雑で壮大な構造を持つ寺院へと発展していきました。
寺院に残る数多くの碑文は、歴代の王たちが土地や金品を寄進し、寺院の維持と発展に貢献してきた歴史を雄弁に物語っています。
スタラシャヤナ・ペルマル寺院の建築は、南インドの寺院建築様式であるドラヴィダ様式の典型を示しています。
寺院の入り口には、高くそびえるゴープラム(塔門)があり、その壁面は神々や神話の登場人物たちの色鮮やかな彫刻で埋め尽くされています。
この門をくぐると、いくつものマンダパ(柱廊)が続き、その柱一本一本にも、神話の場面や聖仙たちの姿が精緻に彫り込まれており、訪れる者を神々の世界へと誘います。
何よりも、この寺院を唯一無二の存在たらしめているのが、本殿に祀られた御神体の姿です。
本尊であるスタラシャヤナ・ペルマルは、その名の通り、大地に直接横たわっています。
右手で頭を支え、左手は穏やかに伸ばした印を結んでおり、これは帰依者を「ここへおいで」と呼び寄せる慈悲のポーズとされています。
通常、ヴィシュヌ神の傍らにあるはずの武器(チャクラと法螺貝)や、乗り物であるガルダ、寝床である神蛇アナンタの姿はなく、ただただ穏やかな表情で帰依者を見つめています。
さらに驚くべきことに、妃の祠では女神が蓮の台座ではなく、地面に直接座る姿で祀られています。
これは、夫であるヴィシュヌ神が大地に横たわっていることに敬意を表しているためとされ、夫婦神の深い絆を物語っています。
この寺院において、信仰をもって祈りを捧げれば、魂は輪廻から解放され、神の住まう天界「ヴァイクンタ」へと導かれると伝えられています。
旅人や航海者の守護神としても知られ、人生の門出や困難な旅路において、道を照らし導いてくれるとも信じられます。
また、帰依者を守るために地上に横たわったという神話からは、いかなる時も信仰者を見捨てない神の深い慈愛が感じられます。
正しき願いを捧げることで、家族の安寧や霊的成長といった恵みも授かれると信じられています。
マハーバリプラムのスタラシャヤナ・ペルマル寺院は、単なる歴史的な建造物ではありません。
そこは、神の深い慈愛の物語が息づき、何世紀にもわたる人々の祈りが積み重なった、生きた信仰の場所です。
大地に横たわる慈悲深きヴィシュヌ神への祈りを通じて、時を超えて流れる神聖なエネルギーと、心癒される穏やかな祝福を感じることができるでしょう。
■寺院の詳細■
・場所:
スタラシャヤナ・ペルマル寺院(マハーバリプラム)
・主神:スタラシャヤナ・ペルマル神(ヴィシュヌ神)
・特徴:大地に直接その身を横たえる慈悲深いヴィシュヌ神が祀られることで有名
・建築:ドラヴィダ建築
・歴史:パッラヴァ朝の時代(8世紀頃)に遡る
■このプージャー・サービスの内容■
・スタラシャヤナ・ペルマル寺院(マハーバリプラム)でのアルチャナ(神前において僧侶が名前を奏上する儀式)
※お申し込み日(ご入金日)より
2週間後(+14日)からご希望の日程をお選びいただけます。寺院の都合により第1希望での実施が難しい場合があるため、第3希望までの日程をご入力ください。
※2〜3ヶ月後に、プージャーのプラサーダムをお送りいたします(写真は付属いたしません)。
※お申し込み時に、祈願者名、ナクシャトラ(未記入でも可。必要な場合は生年月日・誕生地住所・誕生時間をお知らせいただければ、確認させていただきます)をお知らせください。
※1回のお申し込みで、同じ姓のご家族4名様までご参加いただけます。
※お送りするプラサードは1回のお申し込みにつき1名様分のみとなります。人数分のプラサードをご希望の場合は、人数分のお申し込み数が必要となります。
※ご家族でお申し込みいただいた場合、実施寺院によっては、「Yamada Family」などと家族の姓でまとめて実施される場合があります。個人名での実施をご希望の場合は、1回のお申し込みにつき、1名様分のみの情報をご記入ください。
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