2025年3月22日は、シータラー・アシュタミーの吉日です。
この神聖な日は、恐ろしい病から人々を守るシータラー女神を讃える特別な機会となります。
チャイトラ月（3月〜4月）のクリシュナ・パクシャ（満月から新月へ向かう半月）のアシュタミー（8日目）、またはサプタミー（7日目）に祝われるこの日は、春の訪れとともに心身の浄化を促す絶好の時期とされています。
シータラー女神は、天然痘をはじめとする疫病や、あらゆる恐ろしい病からの守護神として崇められています。
特に感染症が流行りやすい乾いた冬の季節や春の季節に、シータラー女神への礼拝が行われます。
この女神は、主に北インドで信仰され、シヴァ神の妃であるパールヴァティー女神と同一視されることもあります。
神話によると、瞑想を行うシヴァ神の額から汗がこぼれ落ち、ジュヴァラースラ（熱の悪魔の意）という悪魔が生まれ、子どもたちにさまざまな病を引き起こし、世界を苦しめ始めたとされています。
母なる女神は、子どもたちの熱を静めるために、シータラー女神（冷やす者の意）となって悪魔を倒し、世界を病気から救ったと伝えられています。
シータラー女神は、タクラーニーやジャガラーニー（世界の女王）、カルナーマヤ（慈悲に満ちた女神）、マンガラー（吉兆の女神）、バガヴァティー（幸運の女神）、ダヤーマイー（恵みと優しさに満ちた女神）など、多様な名前で呼ばれ、崇拝されています。
南インドではマーリアンマン女神として信仰されるなど、その慈悲深い保護と治癒の力により、インド全土でさまざまに異なる姿で礼拝されています。
一般的に、シータラー女神は、ロバに乗り、病原菌を払うためのほうき、そして、熱を冷ますための冷たい水の入った壺を手にして描かれます。
また、薬草のニームを持って描かれることもあります。
これらは、シータラー女神が人々に与える保護と癒しの力を象徴しています。
シータラー・アシュタミーの日には、家庭では火を使った調理は行わず、前日までに調理を済ませ、冷たい（冷めた）食事をシータラー女神に捧げる習慣があります。
前日にあたるサプタミー（ホーリー・フェスティバルの後の7日目）にプージャーを行う地域もあります。
ホーリー・フェスティバルを過ぎると、インドでは長い夏が始まります。
シータラー女神は、季節の移り変わりによるさまざまな病気からの保護をもたらすとも言われることから、シータラー・アシュタミーを通じて、人々は自分自身や家族の健康と幸福を祈ります。
この日は、宇宙の慈悲深い力への感謝を捧げ、自然の周期に根差した心身の再生を願う吉日として受け継がれています。
このシータラー・アシュタミーの吉日に、以下の寺院において、アルチャナ（神前において僧侶が名前を奏上する儀式）を実施します。
■プージャー（アルチャナ：神前において名前を奏上する儀式）実施寺院■
マーリアンマン寺院（サマヤプラム）
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