シャーラグラーマについて
シャーラグラーマについて
・シャーラグラーマについて
・シャーラグラーマを受け取った時は
・礼拝(プージャー)の手順
・シャーラグラーマを洗い清めた水について
シャーラグラーマについて
シャーラグラーマは、ネパールのカリ・ガンダキ河の河床にみつかる黒色をしたアンモナイトの化石です。ヒンドゥー教では、ヴィシュヌの化身として非常な尊敬を受けています。シャーラグラーマは、ヴィシュヌ派の寺院、僧院、家庭にはなくてはならないものであり、家伝の宝として代々受け継がれます。
このヴィシュヌ神を象徴するシャーラグラーマを礼拝することは、帰依者から恐れが取り除かれ、永遠の平和を獲得すると信じられています。ヴィシュヌ神が在るところには、妃であるラクシュミーも存在します。
シャーラグラーマは聖典に記されるように、ヴィシュヌ神やその化身などに分類され崇められています。
シャーラグラーマを受け取った時は
シャーラグラーマが届いたら、まずそのまま祭壇に安置します。翌朝、食事を摂らずに入浴をして体を清めた後、シャーラグラーマを包みから出し礼拝(プージャー)を始めます。
その際、ボウルに聖水を用意しておきます。(聖水=ボウル一杯の通常の水に数滴ガンジス河の水を加えます。ガンジス河の水が入手不可能な場合は、蜂蜜や牛乳を2〜3滴加えます。)
また、シャーラグラーマを安置するためのプレートを準備します。プレートはガラス製のものは避け、真鍮製やスチール製のものを用意します。そしてプレートに赤や黄色の清潔な布を広げ、その上にシャーラグラーマを置けるように整えます。
これらの準備が整った後、ボウルに用意した聖水でシャーラグラーマを洗い清め、清潔な布で拭き取り、布が敷かれたプレートの上に安置します。
その後、シャーラグラーマにチャンダン(サンダルウッドペースト)をつけ、新鮮なトゥラシーの葉を供えます。トゥラシーの葉が手に入らない場合は、トゥラシー・マーラーを供えます。そしてマントラを唱え、ヴィシュヌ神や自身の好むその化身を思い浮かべます。この後、甘いお菓子や果物などをお供えします。
シャーラグラーマには覆いをせず、そのままの状態で祭壇に安置します。そうすることで、ポジティブなエネルギーを自由に放つことができると伝えられます。古代の文献「スカンダ・プラーナ」は、シャーラグラーマは半径23キロにまでそのエネルギーを放つと伝えています。
また、シャーラグラーマを清めた水はとても貴重なものであり、健康や繁栄のために、口にすることも勧められます。残りの水は、トイレや浴室を除き、家や職場に振り撒くことも吉兆な行いとされています。トゥラシーの木を始め、植物などに与えることも可能です。これらの行いは帰依者に多くの吉兆さをもたらします。
プラーナプラティシュタは既に行われていますが、このプージャーを行うことが大切です。また、このプージャーは毎日行うことが勧められますが、外出する時などは、シャーラグラーマを袋に入れ、持ち歩くこともできます。
持ち歩けず、祭壇に安置しておく場合は、前述したような聖水の中に入れて置くことも勧められます。シャーラグラーマは長い間水の中にあったため、水の中を好むとされるためです。
外出から戻ったら、シャーラグラーマが届いた時と同じ手順でプージャーを行います。
シャーラグラーマの礼拝は一日に何度行っても良いとされています。家族全員で行うこともとりわけ良いこととされています。女性がいる場合は月経中を除き、いつでもプージャーを執り行うことができます。
また、10日に一度、サンダルウッドオイルを混ぜたオリーブオイルを塗布することで、光沢を保つことができます。
礼拝(プージャー)の手順
1.入浴し体を清めた後、聖水やプレートを準備します。
2.左手でシャーラグラーマを持ち、右手でシャーラグラーマを洗い清めます。洗った水はボウルに入れておきます。
3.清潔な布を敷いたプレートの上に、シャーラグラーマを安置します。
4.ランプとお香を灯します。
5.シャーラグラーマにチャンダン(サンダルウッドペースト)をつけ、トゥラシーの葉、もしくはトゥラシー・マーラーを供えます。
6.トゥラシー・マーラーを用いてマントラ・ジャパを行います。「オーム・ナモー・ナーラーヤナ」もしくは、「オーム・ナモー・バガヴァテー・ヴァースデーヴァーヤ」、「ハレー・ラーマ・ハレー・クリシュナ」を、9の倍数の数のジャパを行うことが勧められます。
7.シャーラグラーマに願い事を伝えます。毎日、願いを伝えることが大切とされています。
8.シャーラグラーマを洗い清めた水は、家や仕事場などに撒くか、植物に与えます。捧げ物として供えた甘い物や果物は、貧しい人々などに分け与えることが良い行いとなります。
※このプージャーは東、または北東を向いて座り行うことが勧められます。
シャーラグラーマを洗い清めた水について
GANGA GODAVARI REVA NADYO MUKTI PRADAS TO YAH
NIVASANTI SA TIRTHAS TAH SALAGRAMA SILA JALE
KOTE TIRTHA SAHASRAIS TU SEVITAIH KIM PRAYOJANAM
TIRHAM YADI BHAVET PUNYAM SALAGRAMA SILODBHAVAM
(HARI BHAKTI VILASA 3/293, 294 From PADMA PURANA)
シャーラグラーマを洗い清めた水は、ガンジス川、ゴーダーヴァリ川、ナルマダー川、その他の神聖な川の水を含む。シャーラグラーマより得たこの聖水によって身を清めることが可能であれば、他の何千もの巡礼は必要ない。
(パドマ・プラーナ)
DRSTVA PRANAMITA YENA SNAPITA PUJITA TATHA
YAJNA KOTI SAMAM PUNYAN GAVAM KOTI PHALM BHAVET.
(HARI BHAKTI VILASA 5/384 From SKANDA PURANA)
シヴァは息子スカンダに言った。シャーラグラーマを拝見し、敬意を払い、身を清め、崇拝する者、その者は、千万もの犠牲を行い、千万もの牛を与える慈善を行うほどの成果を得る。
(スカンダ・プラーナ)