インドでは2月4日に、ラタ・サプタミーの祝日を迎えます。
ラタ・サプタミーは、マーガ月(1月〜2月)のシュクラ・パクシャ(新月から満月へ向かう半月)の7日目(サプタミー)にあたり、スーリヤ神(太陽神)を讃える吉日として祝福されます。
スーリヤ神はこの日、7頭の馬に引かれた自身の乗り物(ラタ)の向きを北方へ変えると信じられています。
スーリヤ神が乗る乗り物の御者は、アルナと呼ばれる暁の神です。
アルナとは「赤い」を意味し、暗闇を切り開く太陽が空を赤く染める輝きの神格として崇められます。
このアルナ神の誕生には、興味深い神話が伝わります。
アルナ神は、有名な聖仙のひとりであるダクシャの娘、ヴィナターの卵から生まれました。
しかし、ヴィナターは偉大な息子の誕生を待ちきれず、その卵を自ら割ってしまいます。
割れた卵からは閃光としてアルナ神が飛び出すも、時期が早すぎたために、その光は太陽のように明るくなることはなかったといわれます。
そんなアルナ神は、後にスーリヤ神の乗り物の御者となり、7頭の馬を操りながら、その乗り物を導きます。
この7頭の馬は、太陽の光から生まれる7つの色を意味しているといわれます。
それは、7色とされる虹の色であり、私たちの身体に点在する7つのチャクラの色でもあります。
この7色の光を象徴する7頭の馬は、アルナ神の手綱にしっかりと収まりまっすぐ走り続け、毎朝、私たちに光をもたらします。
ラタ・サプタミーは、太陽からの光とその恵みを授かる吉祥な時です。
巡る季節の中で、この偉大な存在を中心に動いているということを認識する時、私たちの歩みは常に光のある方へ正しく導かれるでしょう。
このラタ・サプタミーの吉日に、以下の寺院において、アルチャナ(神前において僧侶が名前を奏上する儀式)を実施します。
■プージャー(アルチャナ:神前において名前を奏上する儀式)実施寺院■
・スーリヤナール・コイル寺院(クンバコーナム):太陽神スーリヤ、妻(恋人)ウシャス女神とプラティウシャス女神を祀る寺院です。
太陽神を祀る寺院は、インドには数多くありますが、太陽神のみを祀るこの寺院は、南インドにおける唯一の寺院となります。
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