ヴェーダンタ・デーシカ（1269-1370）は、南インドの偉大な思想家であり、教師であり、詩人です。
ヴェーダンタ・デーシカは、カーンチプラム近郊のトゥープルと呼ばれる地で生を受けました。
彼は、一般的なヴィシュヌ派の家系に生まれ、幼名をヴェーンカタナータと名付けられました。

ヴェーダンタ・デーシカは、母方の叔父であり、ラーマーヌジャの直弟子であるキダンビ・アップララールに教育を受けました。
聖紐も彼によって授けられました。彼のもとで、ヴェーダンタ・デーシカは、あらゆるヴェーダ、プラーナやシャーストラをマスターたのです。

ヴェーダンタ・デーシカは、非常に独創的な作家であり、作詞家でもあります。
彼は20歳のときに、ヴィシュヌ派では珍しい学位をとりました。
彼の作品は、130以上にも及び、パードゥカー・サハスラムにおいては1,000詩節を作詞しました。

伝統的な言い伝えでは、ヴェーダンタ・デーシカはティルパティ神のガンタ（鐘）の化身であると考えられています。
あるとき、デーシカがティルヴァヘーンドラプラムへ行き、「ガルダ・マントラ」を唱えて苦行をしていました。
彼の信仰心に満足したガルダが面前に顕現し、彼に「ハヤグリーヴァ・マントラ」を授けました（ハヤグリーヴァは、馬の頭を持つヴィシュヌ神の化身。馬頭観音）。
ハヤグリーヴァは、人間に関する知識を象徴します。
そうして、彼が授かった「ハヤグリーヴァ・マントラ」を唱えているとき、ハヤグリーヴァ神が彼の面前に顕現し、デーシカにハヤグリーヴァ神の置物を授けました。
そのため、現在では、ほとんどのデーシカ寺院において、デーシカ像の傍にはハヤグリーヴァ神像が安置されています。

このアルバムは、ヴェーダンタ・デーシカの美しい作品の数々が収録されています。