■ランガナータスワミ寺院(ティルニールマライ)について■
南インド、タミル・ナードゥ州のチェンナイ近郊に、訪れる人々の心を深く捉えて離さない聖地が存在します。
それがティルニールマライのランガナータスワミ寺院です。
この寺院は、ヴィシュヌ神を篤く信仰する人々にとって極めて重要な108の聖地「ディヴィヤデーシャム」の一つに数えられています。
しかし、この寺院を真に特別なものとしているのは、ヴィシュヌ神が一度に四つの異なる姿で鎮座しているという、他に類を見ない特徴にあります。
その背景には、神と聖者たちが織りなす深く、感動的な神話が息づいています。
この地の名前「ティルニールマライ」は、タミル語で「聖なる水の丘」を意味します。
その名の通り、かつてこの丘は豊かな水に囲まれており、その水が引くのを待つ間に生まれた伝説が、この寺院の霊性を一層高めています。
寺院の神話の中でも特に有名なのが、叙事詩『ラーマーヤナ』の作者として知られるヴァールミーキ聖者にまつわる物語です。
ヴァールミーキは偉大な叙事詩を書き上げた後、物語の主人公であるラーマ神の姿を一目見たいと強く願いました。
その敬虔な祈りに応え、ヴィシュヌ神の化身であるラーマ神は、このティルニールマライの地でその姿を現したと伝えられています。
しかし、その姿は一つだけではありませんでした。
ラーマ神は、横たわる姿のランガーナータとして、そして忠実な兄弟であるラクシュマナ、バラタ、シャトルグナもまた、それぞれ立った姿、座った姿、歩く姿のヴィシュヌ神の化身としてヴァールミーキの前に現れたといわれます。
妃であるシーター女神や忠臣ハヌマーン神も共にいたとされ、まさに『ラーマーヤナ』の世界がこの丘の上で再現されたのでした。
また、偉大なアールワール(ヴィシュヌ派の聖者)の一人であるティルマンガイ・アールワールも、この寺院の神話に欠かせない人物です。
彼がこの地を訪れた時、丘はモンスーンによる大水で完全に囲まれ、近づくことができませんでした。
しかし、彼は諦めることなく、丘の対岸で水が引くのを実に六ヶ月もの間、辛抱強く待ち続けました。
その間、彼は丘の上に鎮座する神への深い想いを込めて、数々の賛歌を詠みました。
彼の揺るぎない信仰心は、神を深く感動させたとされ、この逸話によってティルニールマライは「ティルマンガイ・アールワールの地」という別名でも呼ばれるようになりました。
また、この寺院にはブリグ聖者の神話も伝わります。
彼はヴィシュヌ神の完全な姿を拝みたいと願い、この地で厳しい苦行を始めました。
その深い献身に応えるため、ヴィシュヌ神は聖者の願いを遥かに超える形で応えました。
すなわち、丘の麓では立った姿の「ニールヴァンナ・ペルマル」として、そして丘の上では横たわる姿の「ランガナータ」、座した姿の「ナラシンハ」、歩く姿の「トリヴィクラマ」という、合わせて四つの壮麗な姿を同時に現したといわれます。
帰依者の純粋な願いに対し、神が慈悲深くも壮大な形で応えるという、この寺院の核心的な霊性がこの神話に凝縮されています。
この寺院の歴史は古く、8世紀にパッラヴァ朝によって創建されたと考えられています。
その後、チョーラ朝やヴィジャヤナガル王国といった歴代の王朝によって修復や増築が繰り返され、今日見られる荘厳な姿となりました。
その証として、寺院の壁には多くの碑文が刻まれており、王たちからの寄進の記録などが残されています。
建築様式は、典型的なドラヴィダ建築であり、丘の麓にある下の寺院と、丘の上にある上の寺院という二重構造になっているのが大きな特徴です。
下の寺院にはニールヴァンナ・ペルマルが祀られ、巡礼者はまずここで祈りを捧げます。
その後、石段を登り、上の寺院へと向かいます。
そこにはランガナータ、ナラシンハ、トリヴィクラマの三神がそれぞれ独立した祠堂に鎮座しており、訪れる者はヴィシュヌ神の多様な神性を一度に体感することができます。
寺院を囲むゴープラム(塔門)やマンダパ(柱廊)の精緻な彫刻も見事です。
ティルニールマライの寺院は、一つの寺院を訪れることで、四つの異なるディヴィヤデーシャムを巡礼したのと同じ功徳が得られると信じられており、多くの人々が絶え間なく訪れます。
寺院の聖なる池で沐浴をすれば、病が癒されると言われています。
また、結婚に関する悩みや、子宝に恵まれないといった問題に対する祈願も多く、ここで祈りを捧げたことで願いが成就したという話が数多く伝えられています。
四つの異なる姿の神々は、それぞれが帰依者の多様な願いに応え、勇気、繁栄、知識、そして最終的な解脱といった、あらゆる恩恵を授けてくれると深く信じられています。
このように、ティルニールマライの寺院は、壮大な神話、長い歴史、そして揺るぎない信仰が交差する、類い稀な聖地です。
一人の聖者の願いに応えて四つの姿を現したヴィシュヌ神の物語は、時代を超えて人々の心に希望の光を灯し続けています。
■寺院の詳細■
・場所:
ランガナータスワミ寺院(ティルニールマライ)
・主神:ランガナータスワミ神(ヴィシュヌ神)
・特徴:ヴィシュヌ神の多様な神性を一度に体感することができる聖地
・建築:ドラヴィダ建築
・歴史:8世紀のパッラヴァ朝に遡る
■このプージャー・サービスの内容■
・ランガナータスワミ寺院(ティルニールマライ)でのアルチャナ(神前において僧侶が名前を奏上する儀式)
※お申し込み日(ご入金日)より
2週間後(+14日)からご希望の日程をお選びいただけます。寺院の都合により第1希望での実施が難しい場合があるため、第3希望までの日程をご入力ください。
※2〜3ヶ月後に、プージャーのプラサーダムをお送りいたします(写真は付属いたしません)。
※お申し込み時に、祈願者名、ナクシャトラ(未記入でも可。必要な場合は生年月日・誕生地住所・誕生時間をお知らせいただければ、確認させていただきます)をお知らせください。
※1回のお申し込みで、同じ姓のご家族4名様までご参加いただけます。
※お送りするプラサードは1回のお申し込みにつき1名様分のみとなります。人数分のプラサードをご希望の場合は、人数分のお申し込み数が必要となります。
※ご家族でお申し込みいただいた場合、実施寺院によっては、「Yamada Family」などと家族の姓でまとめて実施される場合があります。個人名での実施をご希望の場合は、1回のお申し込みにつき、1名様分のみの情報をご記入ください。
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