「EXPRESS STAR TELLER」2025年3月号は、インド占星術とスピリチュアリティの深遠な知識を提供する充実した一冊です。今号の特集は「魚座における土星の運行」で、2025年3月29日から2027年6月3日までの期間に起こる土星の運行が12星座それぞれの人々にどのような影響をもたらすかを詳細に解説しています。また、「トランプ2.0時代のアメリカ」という時事的なテーマを占星術的視点から分析し、就任式のホロスコープを通じて今後の展望を示しています。霊的な探求を深めたい方には、スワミ・ダヤーナンダ・サラスワティ師による「エゴからの解放と真のコミュニケーション」についての教えや、ケララ州の稀少な寺院「アドブート・ナーラーヤナ・ペルマル」の神秘を紹介する記事も見逃せません。食や地震など自然現象についての占星術的分析、カルマ解消法、ビジネスや健康のためのヨガなど、実用的なアドバイスも満載です。
「GUIDANCE FROM GURU: Satsanga with Pujya Swami Dayananda Saraswati」では、現代社会における組織運営と個人の精神的成長に関する深遠な洞察が提供されています。スワミ・ダヤーナンダ・サラスワティは、多くの組織が広範な再編にもかかわらず期待通りの成果を上げられない根本原因は、「人々が一丸となっていないこと」にあると指摘します。真の「共にあること(togetherness)」は単に言葉で表明するだけでは生まれず、共通のビジョンを持ち、それを共有することから生まれると説きます。 記事は「エゴの理解」という章から始まり、エゴとは何か、その根源は何かを問いかけます。すべては与えられたものであり、私たちは何も所有していないという根本的な真理を理解することが、傲慢さから解放される第一歩だと説きます。現代のマンションやアパートに例え、土地を所有せずに家を所有するという考え方が、無知から生まれる傲慢さに似ていると比喩的に説明します。 続いて「階層性の理解」について述べ、組織内の階層は人間としての優劣ではなく、単に仕事上の構造であり、決断を下す役割の違いに過ぎないと説明します。この理解に達すると、自分の立場や役割を自然に受け入れられるようになり、他者との関係も人間対人間の関わりとして成熟していくと述べています。 「ビジョンの共有によるコミュニケーション」の章では、エゴが成熟し傲慢さから解放されると、次に育てるべき習慣としてコミュニケーション能力を挙げています。特に組織のリーダーや家庭の親にとって、ビジョンを共有する能力が重要であると強調。ビジョンが最後の一人まで届いてこそ、組織は効果的に機能すると説きます。 最後に、寺院建設の例を用いて、全体のビジョンを持つ建築家(総指揮者)がそのビジョンを石を切る単純労働者にまで伝えることで、各人が自分の役割を理解し、調和のとれた壮大な寺院が完成するという比喩で締めくくっています。この教えは、現代の組織運営から家庭生活、さらには個人の精神的成長まで、あらゆる場面で適用できる普遍的な知恵として読者に強い印象を与えます。
「Lord of Wonder: Adbhuth Narayana Perumal」と題された記事は、ケララ州コッタヤム地区にあるティルコディタナム(Thirukodithanam)寺院の神聖な歴史と特異な特徴を紹介しています。この寺院は、ケララ州内でも数少ないヴィシュヌ派の「ディヴヤ・デサム」(神聖な地)の一つで、タミル・ナードゥのヴィシュヌ派聖人12アルワールの一人によって讃えられてきました。 寺院の中心的な神格はアドブート・ナーラーヤナ・ペルマル(驚異の主)で、四本の腕を持つ立像として祀られています。その配偶神はカルパガ・ヴァッリと呼ばれています。寺院の特徴として、円形の中央聖所には東向きのアドブート・ナーラーヤナ神と、後に追加された西向きのナラシンハ神(人獅子の化身)が祀られています。ナラシンハ神の猛々しさを和らげるため、毎日甘いお粥(スウィート・ポリッジ)が供えられ、シュリーマド・ナーラーヤニーヤムの詠唱が行われます。また、南側には、ダクシナムールティ神とヴィナーヤカ神(ガネーシャ)の小さな祠があります。 寺院にまつわる興味深い伝説も紹介されています。アドブート・ナーラーヤナ神の像は、パーンダヴァ五兄弟の末弟サハデーヴァによって奉納されたとされています。彼はヴィシュヌ神のための寺院を建立しようとしましたが、適切な神像を見つけられず、絶望して火の儀式(アグニ・クンド)で自己犠牲を捧げようとしました。その時、現在の神像を授かり、それが予想外の驚きだったため「アドブート・ナーラーヤナ」(驚異のナーラーヤナ)と名付けたと言われています。 また、寺院の境内には、人間の像を模した不思議な花崗岩像があります。この像については、寺院の管理人が任務怠慢で王に処刑された、または天界の存在(デーヴァ)が無断で寺院の花を摘んだために罰せられたという複数の伝説があります。 寺院の特徴的な祭りとして、ヴィシュヌ寺院では珍しい「カールティカイ祭」(ディーパム祭)が挙げられています。この祭りでは、シヴァ神が火の玉としてヴィシュヌ神とブラフマー神の前に現れたという神話にちなみ、1008の灯火が灯されます。寺院の囲壁は、モルタルなどの接着材を使わずに巨石を積み上げて造られており、天界の存在によって建てられたとされています。 約2000〜3000年の歴史を持つこの寺院は、60年ごとに主神の像が特別な力を得て、カリ・ユガ(現在の時代)の終わりに向けて空間に稲妻のように融合すると信じられています。ティルコディタナムという地名自体も「一瞬」(ガティカ)を意味する言葉に由来するとされ、純粋で献身的な心で一瞬でも祈りを捧げれば、すべての努力において成功の恵みを受けると信じられています。寺院は毎日午前5時から11時、午後5時から8時まで開かれており、コッタヤムから容易にアクセスできます。