■アビラーミー・アンマン寺院について■

アビラーミー・アンマン寺院は、インドのタミル・ナードゥ州ティルカダイユールに位置する崇高な寺院です。
アムリタガテーシュワラとしてのシヴァ神と、アビラーミーとしてのパールヴァティー女神が祀られています。
この寺院は、その壮麗な建築、豊かな歴史、そして深い霊的な意義で知られており、多くの巡礼者や観光客を引きつけています。

アビラーミー・アンマン寺院には重要な神話がいくつか伝えられています。
一つ目は不死の霊薬（アムリタ）に関する物語です。
神々が不死の霊薬を飲もうとした際、何よりもまず初めに礼拝すべきであるガネーシャ神への祈りを忘れたため、怒ったガネーシャが霊薬の壺を盗みました。
そして、この地に隠し、ここで父と母の象徴であるシヴァリンガムを作ると、その上に不死の霊薬を注いだと伝えられます。
それ以来、この地のシヴァリンガムは「不死へ導く主」という意味の「アムリタガテーシュワラ」として崇められるようになりました。

別の神話は、マールカンデーヤにまつわる神話です。
マールカンデーヤは、シヴァ神に深く帰依した賢者ムリカンダの息子として生まれました。
ムリカンダはシヴァ神に祈りを捧げマールカンデーヤを授かるも、マールカンデーヤは16歳で命を落とす運命を背負っていました。
成長するにつれて、マールカンデーヤはシヴァ神に救いを求めるために厳しい苦行を行います。
そして運命の日、死の神ヤマが命を奪おうとした時、マールカンデーヤはシヴァリンガムに抱きつきました。
ヤマがシヴァリンガムからマールカンデーヤを引き離そうとした瞬間、シヴァ神が現れヤマを打ち倒します。
その後、シヴァ神はマールカンデーヤに永遠の命を与え、彼は不死の賢者として知られるようになりました。

もう一つの神話は、この寺院を訪れるすべての女性をアビラーミー女神として崇めていた敬虔なアビラーミー・パッタルに関する物語です。
王が寺院を訪れた際、パッタルは深い瞑想に耽っており、王の存在に気づきませんでした。
腹を立てた王が月齢について尋ねると、瞑想に没入していたパッタルは、新月であったにもかかわらず、アビラーミー女神の顔を満月と思い込み、満月と誤って答えてしまいます。
この誤りにより火炙りの刑に直面したパッタルは、救いを求め、火葬場でアビラーミー女神への賛歌を詠みあげます。
その途中、アビラーミー女神が現れ、自身の耳飾りを空に投げ入れると、それが満月のように輝き、パッタルの命を救ったと言われます。

このアビラーミー・アンマン寺院の歴史は、7世紀にまで遡るとされています。
当初は小さな祠でしたが、その後にチョーラ朝、ヴィジャヤナガル朝、ナーヤカ朝などの歴代王朝によって増改築が繰り返され、現在の壮大な姿になりました。
特に、高さ約46メートルのゴープラム（塔門）は、南インドの寺院建築の典型的な例として知られています。
寺院の内部は、複雑な彫刻で飾られており、芸術的な技巧によってヒンドゥー教の神話や伝説が表現されています。
この寺院での祈りは、健康や長寿、病気の治癒、夫婦円満、困難の克服といった恩恵が授けられると伝えられています。

アビラーミー・アンマン寺院は、時代を超越した信仰の住処として立っており、精神性と神話が絡み合って、深い崇敬の雰囲気を作り出しています。
ヒンドゥー神話において特別な存在として描かれるこの寺院は、信仰を通じて死を超越し、不死の境地に至る場所として崇められます。
まるで希望の灯台のように、多くの人々に信仰の力とその普遍的な価値を示し続けています。
また、献身と神への信頼によって、人生の試練を乗り越え、精神的な目覚めと永遠の至福を得る道を教えてくれる神聖な場所として受け継がれています。

■寺院の詳細■

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