悠久の旅路を思い出すアルバム
スリ・スワミジの数あるアルバムの中でも、他のアルバムとは明らかに一線を画している作品。
聖地ヒマラヤの氷河が静かにガンジス河に流れ入り、溶け込んでいくような、とめどない音の広がり。そしてヒマラヤから宇宙へと無限に鳴り響くバイブレーション。それは外へと向かう音でありながら、同時に内面へと、真我へと自然と向かわせてくれる。
スリ・スワミジ奏でるローランドのシンセサイザーの特徴的な音から始まり、バイオリンの音がそこに重なってくることで、新たな創造の息吹をもたらす。
私たちは一体どこからきて、どこへ向かうのか。まさにそのような問いのようなメロディである。
竹笛のバンスリとハルモニウムが加わり、その音の世界観は決定づけられていく。広がる音でありながら、ドライな感覚、冷めた感覚を覚える。
ハルモニウム、バイオリン、バンスリの楽器のそれぞれの音、メロディが唯一無二、その表現力は他の追随を許さない。バンスリのメロディには自然と涙が流れる。
雪解けの時、空を見上げた小さい花のように、私たちは広い大空を再び見て、次なる一歩を踏み出し続けるのだろう。本来の自己の存在を感じながら至福を思い出してみたい。
収録内容
1. Nada Himalaya (29:57)
2. Tapas (29:13)
スリ・ガナパティ・サッチダーナンダ・スワミジ
Sri Ganapati Sachchidananda Swamiji
(略称:スリ・スワミジ)
音楽家、教育者、社会奉仕家
1942年、南インドのマケダトゥに生まれる。幼少期より人々の 必要に応え、問題を解決する認識力において優れた資質があり、多くの人々の支えとなる。1966 年、南インド・マイソールで、 教育、医療、音楽、ヨガや ヴェーダなどのインド文化が一体となった教育施設「アヴァドゥータ・ダッタ・ピータム」を設立。
1980年代から、「瞑想と癒しのための音楽」をコンセプトにインドの伝統音楽とシンセサイザーを組み合わせたコンサートを開催。クリシュナデーヴァラーヤ大学博士号(音楽)。
2015 年4月、シドニーオペラハウスにて同時に1824 人が参加した最大規模のミュージックセラピーでギネス公式記録。