カールッティカ・プールニマー
カールッティカ・プールニマーについて
カールッティカ・プールニマーは、カールッティカ月(10月〜11月)の満月の日を指します。
この日は、「デーヴァ・ディーワーリー(神々のディーワーリー)」または「トリプラーリー・プールニマー」とも呼ばれます。
アマーヴァシャー(新月)のディーワーリーが人間の祭りであるのに対し、このプールニマー(満月)のディーワーリーは神々が祝う祭りであるとされています。
特に聖地ヴァーラーナシー(ベナレス)では、神々が地上に降りガンジス川で沐浴すると信じられており、ガート(川岸の階段)全体が何百万ものランプで飾られる光景は、この世のものとは思えない美しさです。
神話によれば、この満月はシヴァ神が三つの都市を征服し全宇宙を苦しめていた強力な悪魔トリプラースラを倒した日(トリプラーリー・プールニマー)とされています。
神々はこの勝利を祝って天界でランプを灯したとされ、それが地上のデーヴァ・ディーワーリーの起源となりました。
また、ヴィシュヌ神が最初の化身である「マツシャ(魚)」の姿をとって、大洪水の危機からヴェーダ聖典と賢者マヌを救ったのもこの日であると信じられています。
さらに、シク教の初代グルであるグル・ナーナクの生誕日(グル・ナーナク・ジャヤンティー)でもあり、シク教徒にとっても一年で最も神聖な祝日として、盛大なパレードや祈りが捧げられます。
この満月は、1ヶ月にわたって続けられてきた「カールッティカ・スナーナ(早朝の沐浴)」の最終日でもあります。
この日の朝、聖なる川、特にガンジス川で沐浴することは、100回のアシュヴァメーダ・ヤジュニャ(馬祀祭)を行う以上の功徳があるとされ、インド中から巡礼者が集まります。
また、この時期には、ラージャスターン州のプシュカルなどで大規模な家畜市や祭りが開催され、宗教的な儀礼と文化的な祝祭が融合します。
満月の光の下、川面に浮かべられたランプが流れていく様は、魂が解脱の海へと還っていく姿を象徴しているかのようです。
季節的には、冬の訪れを告げる満月です。夜気は冷たく、月の光は冴え渡ります。
この満月の日に行われる慈善活動、特に「ディーパ・ダーナ(灯明の布施)」や、僧侶への食事の提供は、祖先の魂を慰め、自身の来世の幸福を約束するものとされます。
カールッティカ・プールニマーは、シヴァ神の武勇、ヴィシュヌ神の慈悲、そして聖者の知恵が一つに溶け合い、人間と神々が共に光を灯して宇宙の調和を祝う、荘厳で神秘的な満月の日となります。