アーシュヴィナ・プールニマー
アーシュヴィナ・プールニマーについて
アーシュヴィナ・プールニマーは、アーシュヴィナ月(9月〜10月)の満月の日を指します。
この日は「シャラダ・プールニマー」あるいは「コージャーギリー・プールニマー」として知られ、一年で最も月が美しく、最も強力な霊的エネルギーを持つ夜とされています。
この日の最大の特徴は、月の光が「アムリタ(不老不死の甘露)」の性質を帯びて地上に降り注ぐという信仰です。
月は16の「カーラ(相)」すべてを満たし、完全無欠な状態にあるとされます。
その光には病を癒やし、精神を安定させ、魂に滋養を与える力があると信じられているため、人々は夜、月光浴を楽しみます。
特に、喘息や眼病を持つ人々にとって、この夜の月光を浴びることは伝統的な治療法の一つと見なされています。
雨季の湿気が去り、秋の冷涼な空気が支配するこの夜、純白の月光は清浄そのものの象徴です。
この日は、クリシュナ神と牧女(ゴーピー)たちによる神聖な円舞「マハー・ラーサ」が行われた夜として、ヴリンダーヴァンなどの聖地でも盛大に祝われます。
クリシュナ神が笛を吹き、その音色に魅了された魂たちが神との合一の喜びの中で踊り明かしたという伝説に基づき、寺院では華やかな装飾が施され、夜通しキールタン(聖歌)が歌われます。
一方、東インドのベンガル地方やオリッサ地方、アッサム地方では、この日は富の女神ラクシュミーを崇める日(ラクシュミー・プージャー)とされています。
女神は夜空を巡回し、「コージャーギリー」の語源である「カハ(誰が)・ジャーガラナ(起きている)」と問いかけ、目覚めて祈りを捧げている者に富と繁栄を与えると信じられています。
また、農村部では、この満月は収穫祭としての意味合いも強く持っています。
新米やサトウキビの収穫を祝い、自然の恵みに感謝を捧げます。
人々は白い衣服を身にまとい、銀の食器や装飾品を月光にさらして浄化します。
アーシュヴィナ・プールニマーは、物質的な豊かさ(収穫と富)と、精神的な至福(クリシュナ神への愛と月の甘露)が見事に調和した日です。
厳しい夏と雨季を乗り越えた人々が、秋の夜長の美しさを堪能し、来るべき冬に向けて心身のエネルギーを充填する、詩的でロマンチックな満月の日となります。