バードラパダ・プールニマー・ヴラタ
バードラパダ・プールニマー・ヴラタについて
バードラパダ・プールニマー・ヴラタは、バードラパダ月(8月〜9月)の満月の日に行われる断食および誓戒の実践を指します。
このヴラタは、一般的にヴィシュヌ神、特にサティヤナーラーヤナ神を崇拝するために行われますが、この日特有の重要なヴラタとして「ウマー・マヘーシュヴァラ・ヴラタ」があります。
これはシヴァ神(マヘーシュヴァラ)とその妃パールヴァティー女神(ウマー女神)を夫婦共に崇拝する儀式であり、過去世からの罪を滅ぼし、夫婦の絆を強め、精神的な解脱を得るために行われます。
ウマー・マヘーシュヴァラ・ヴラタを行う人々は、夜明け前の沐浴から一日を始めます。
身を清め、清潔な衣服をまとった後、祭壇にシヴァ神とパールヴァティー女神の像、あるいはシヴァリンガを安置します。
人々は「私は過去の罪を償い、神の恩寵を得るためにこの断食を行います」というサンカルパ(誓い)を立てます。
祭壇には、ベルノキの葉(ビルヴァ)、花、果物、お香、そして灯明が捧げられます。
このヴラタは『マツシャ・プラーナ』などの聖典にも記述があり、かつて聖仙ドゥルヴァーサの呪いによって栄光を失った神々が、このヴラタを行うことで力を取り戻したと伝えられています。
そのため、失われた名誉や富を回復し、人生の障害を克服する力があると信じられています。
また、この日は翌日から始まるピトリ・パクシャ(祖先崇拝期間)の前日であるため、多くの人々にとって、祖先を迎えるための精神的な浄化の日でもあります。
断食を行い、心身を清浄な状態に保つことは、翌日から始まる祖先への供養をより効果的なものにするための準備となります。
日中は、サティヤナーラーヤナ・カター(サティヤナーラーヤナ神の物語)を読んだり、シヴァ神のマントラを唱えたりして過ごし、世俗的な欲望や怒り、執着から離れるよう努めます。
食事は一回のみ、あるいは果物と牛乳のみに制限され、塩や穀物を避けることもあります。
夕刻、満月が昇ると、月にアルギャ(聖水の捧げ物)を行い、神への祈りを捧げてから断食を解きます。
この日に行う「ダーナ(布施)」は特に重要で、僧侶や貧しい人々に食事を提供したり、衣服や銀製品、穀物を寄付したりすることは、祖先を喜ばせ、自身にも大きな功徳をもたらすとされています。
特に、翌日からの祖先供養に関連して、胡麻やギー(澄ましバター)を寄付することが推奨されます。
バードラパダ・プールニマー・ヴラタは、神々への献身と祖先への敬意が融合した、過去と未来、現世と来世をつなぐ神聖な架け橋としての一日となります。