バードラパダ・アマーヴァシャー
バードラパダ・アマーヴァシャーについて
バードラパダ・アマーヴァシャーは、バードラパダ月(8月〜9月)の新月の日を指します。
この日は、儀式において極めて重要な役割を果たす聖なる草、「クシャ」を採取する日であることから、別名「クシャグラハニー・アマーヴァシャー」と呼ばれています。
この日に採取されたクシャ草(ダルバ草)だけが、一年を通じて行われるあらゆる儀式、特に祖先供養や神聖なプージャーにおいて使用する資格を持つと信じられています。
クシャ草は、ヒンドゥー教において浄化の力が宿るとされる特別な植物です。
伝説によれば、神々の蜜(アムリタ)がこぼれ落ちた場所にこの草が生えたとされ、その鋭い葉先は邪気を払い、神聖なエネルギーを伝導する役割を果たします。
そのため、僧侶や敬虔な人々は、このアマーヴァシャーの早朝、日の出と共に野原に出かけ、特定のマントラを唱えながら、敬意を持ってクシャ草を根から引き抜きます。
この草は乾燥させて保存され、指輪(パヴィトラ)を作ったり、聖水を振りかける際に使用されたりします。
この儀式は、一年間の信仰生活の基盤を整えるという意味で、非常に実務的かつ神聖な重要性を持っています。
また、この日は「ピトーリー・アマーヴァシャー」としても知られ、特に母親たちが子どもの健康と長寿を願って女神を崇拝する日でもあります。
「ピトーリー」という名は、小麦粉(ピーター)で作った人形や偶像を崇めることに由来する場合もあれば、64人のヨーギニー(女神の眷属)に祈りを捧げる伝統に関連づけられることもあります。
母親たちは断食を行い、夕方に女神に対して祈りを捧げ、子どもたちの周りにある否定的なエネルギーや病気が取り除かれるよう願います。
かつて、子どもが早世することが多かった時代、この儀式は母親たちにとって切実な祈りの場であり、その伝統は現代にも母性愛の象徴として受け継がれています。
もちろん、新月であるため、祖先崇拝(ピトリ・タルパナ)も欠かせません。
このアマーヴァシャーは、ガネーシャ神の降誕祭(ガネーシャ・チャトゥルティー)の直前にあたります。
華やかな祭りに入る前に、祖先に対して水と胡麻を捧げ、祖先の祝福を得ておくことは、祭りを滞りなく行い、家庭に繁栄をもたらすための必須条件とされています。
バードラパダ・アマーヴァシャーは、聖なる草の採取による儀式空間の浄化、母の愛による子どもの守護、そして祖先への尽きせぬ感謝が交差する、静寂でありながらも力強い祈りの一日となります。