シュラーヴァナ・プールニマー
シュラーヴァナ・プールニマーについて
シュラーヴァナ・プールニマーは、シュラーヴァナ月(7月〜8月)の満月の日を指します。
この日はヒンドゥー教の暦の中でも極めて重要な祝日であり、インド全土で「ラクシャー・バンダン」として盛大に祝われます。
満月の輝きの下、兄弟姉妹の絆を確認し、愛と保護を誓い合うこの祭りは、社会的・文化的に深い意味を持っています。
ラクシャー・バンダンの儀式では、姉妹が兄弟の手首に「ラーキー」と呼ばれる聖なる紐を結び、兄弟の長寿と幸福を祈って額にティラカ(印)を付け、甘いお菓子を食べさせます。
これに対し、兄弟は姉妹を生涯守り抜くことを誓い、贈り物を与えます。
この「守護の絆(ラクシャー・バンダン)」は、血縁関係にある兄弟姉妹だけでなく、精神的な兄弟姉妹や、兵士、近隣の人々の間でも結ばれることがあり、社会的な調和と相互扶助の精神を強化する役割を果たしています。
神話的には、インドラ神の妻であるシャチー女神が、悪魔との戦いに赴く夫の手首に護符を結んで勝利をもたらした伝説や、クリシュナ神とドラウパディーの物語などが起源として語り継がれています。
また、この日はバラモンたちにとって、「ウパーカルマ」または「アーヴァニ・アヴィッタム」と呼ばれる極めて神聖な儀式の日でもあります。
男性たちは聖なる川や池で沐浴して心身を清め、古い聖紐(ヤジュニョーパヴィータ)を新しいものに取り替え、ヴェーダ聖典の学習を再開する誓いを新たにします。
これは古代の教育年度の始まりを象徴しており、リシ(聖仙)たちへの感謝を捧げる日でもあります。
さらに、サンスクリット語の復興と保存を願う「サンスクリット・ディヴァサ(サンスクリットの日)」としても祝われています。
沿岸部、特にマハーラーシュトラ州やゴア州などでは、この日は「ナーラリー・プールニマー」、すなわち「ココナッツの満月」として祝われます。
漁師たちは、海の神ヴァルナに感謝し、これからの漁の安全と豊漁を祈願して、海に黄金の装飾を施したココナッツを捧げます。
雨季による荒れた海が鎮まり、漁業シーズンが再開される節目となるためです。
一方、北インドの山岳地帯では、有名な「アマルナート巡礼」が行われ、氷のシヴァリンガへの参拝がクライマックスを迎えます。
このようにシュラーヴァナ・プールニマーは、家族の愛、学問の刷新、自然への畏敬、そして神への帰依が多層的に重なり合う、一年で最も色彩豊かで喜びに満ちた満月の日となります。