シュラーヴァナ・プールニマー・ヴラタ
シュラーヴァナ・プールニマー・ヴラタについて
シュラーヴァナ・プールニマー・ヴラタは、シュラーヴァナ月(7月〜8月)の満月の日に行われる断食および誓戒の実践を指します。
このヴラタは、ラクシャー・バンダンの祝祭と並行して行われることが多いですが、その本質は個人の魂の浄化と、神聖な保護(ラクシャー)を神に求めることにあります。
満月の強力なエネルギーを利用して、過去の罪を贖い、精神的な強さを得て、家族や社会を守る力を養うために、多くの人々が厳格な規律を守って一日を過ごします。
ヴラタの実践は、夜明け前の沐浴から始まります。
この日の沐浴は、過去一年の間に知らず知らずのうちに犯した罪、特に微細な生物を傷つけた罪などを洗い流すための儀式的な意味合いが強く、「リシ・タルパナ(聖仙への水供養)」と組み合わせて行われます。
清潔な衣服に着替えた後、祭壇を整え、ヴィシュヌ神(サティヤナーラーヤナ神)やシヴァ神、そして月神チャンドラを崇拝します。
特にサティヤナーラーヤナ・プージャー(ヴィシュヌ神の礼拝)はこの日に多くの家庭で行われ、バナナの葉、果物、花、パンチャームリタ(五種の甘露)を供え、サティヤナーラーヤナ神の物語を朗読して、家庭の繁栄と平穏を祈ります。
断食の誓い(サンカルパ)を立てた人々は、日中は穀物の摂取を控え、水や果物、乳製品などで過ごします。
食事の準備においては、純粋性(サットヴァ)が重視され、お供え物として特別な甘い米料理(キール)や、揚げ菓子が作られます。
このヴラタの精神的な焦点は「保護」にあるため、自分自身を守るだけでなく、他者を守る意志を固めることが求められます。
ラーキーの紐は、単なる装飾品ではなく、マントラによって聖別された「護符」であり、ヴラタを行う者は、この紐を神像に捧げてから家族の手首に結ぶことで、神の加護を転写します。
夕刻、満月が空に昇ると、月にアルギャ(聖水の捧げ物)を行い、その光を浴びながら祈りを捧げます。
シュラーヴァナ月の満月は、雨雲の切れ間から見えることが多く、その光は希望と慈愛の象徴とされます。
祈りの後、神に捧げたプラサーダを家族で分かち合い、断食を解きます。
また、この日は貧しい人々や僧侶への「ダーナ(布施)」、特に衣服や穀物、金銭の寄付を行うことが、ヴラタを完遂するために不可欠な要素とされています。
シュラーヴァナ・プールニマー・ヴラタは、人間関係の絆を深めると同時に、神との絆を結び直し、愛と奉仕によって世界を守るという崇高な誓いを立てる神聖な一日となります。