シュラーヴァナ・アマーヴァシャー
シュラーヴァナ・アマーヴァシャーについて
シュラーヴァナ・アマーヴァシャーは、シュラーヴァナ月(7月〜8月)の新月の日を指します。
この日は、雨季の恵みによって自然界が最も生命力に溢れ、大地が一面緑色に覆われる時期にあたることから、別名「ハリヤーリー・アマーヴァシャー」、すなわち「緑の新月」として広く親しまれ、祝われています。
ハリヤーリー・アマーヴァシャーの主たるテーマは、自然への感謝と環境保護です。
ヒンドゥー教において、樹木は神々の住処であり、生命の維持に不可欠な存在として崇められています。
この日、人々はピーパル(インドボダイジュ)やバニヤン(ガジュマル)などの聖なる木を礼拝し、その幹に水を注ぎ、聖紐を巻いて祈りを捧げます。
さらに重要な実践として、新しい苗木を植えることが強く推奨されています。
一人の人間が一生のうちに一本の木を植えれば、それは来世への功徳になると信じられており、この新月の日に植樹を行うことは、地球(ブーミ・デーヴィー)への恩返しであり、奉仕でもあると考えられています。
このアマーヴァシャーは、シヴァ神への崇拝とも密接に結びついています。
特に、一部の地域では神像が緑色の衣装や装飾で彩られ、特別なプージャーが行われます。
また、新月であるため祖先崇拝(ピトリ・タルパナ)を行う日でもありますが、シュラーヴァナ月の文脈においては、祖先に対して水と胡麻を捧げることで、一族の繁栄だけでなく、農作物の豊作と自然災害からの保護をも祈願します。
農村部では、農具を清めて礼拝し、穀物の神に感謝を捧げる儀式も行われ、人間と自然と神の調和が強調されます。
一部の地域では、この日は魔除けや病気平癒のための儀式を行う重要なタイミングともされています。
雨季特有の病気や害虫から身を守るため、家の入り口にニームの葉を吊るしたり、特定の薬草を用いた煙で家を燻したりします。
新月の闇は、神秘的な力が作用しやすい時間と捉えられており、タントラ的な修行を行う人々にとっても静寂の中で瞑想を深める絶好の機会となります。
シュラーヴァナ・アマーヴァシャーは、目に見える豊かな緑の生命力と、目に見えない霊的な力の両方を敬い、人間が自然の一部であることを再確認する、静かで美しい祈りの日となります。