アーシャーダ・プールニマー・ヴラタ
アーシャーダ・プールニマー・ヴラタについて
アーシャーダ・プールニマー・ヴラタは、アーシャーダ月(6月〜7月)の満月の日に行われる断食および誓戒の実践を指します。
このヴラタは、主に自身のグル(精神的な指導者)や、ヴィシュヌ神、そしてシヴァ神を崇拝し、精神的な進歩と内面の浄化を目的として行われます。
特にグル・プールニマーと重なるため、この日の断食は、師への献身を示す最高の行為とされ、師の恩寵によって人生のあらゆる困難が取り除かれると信じられています。
ヴラタの儀式は、夜明け前のブラフマ・ムフールタに行う沐浴から始まります。
雨季の水で増水した川は生命力に満ちており、その水で身を清めることは特別な浄化作用を持つとされます。
清潔な衣服、多くの場合、純粋さを象徴する白や黄色(ヴィシュヌ神やグルの色)の服に着替えた後、人々は祭壇にヴェーダ・ヴィヤーサの像、あるいは自身のグルの写真、またはヴィシュヌ神の像を安置します。
「グル・パードゥカー(師の履き物)」を洗い、花や白檀のペーストで飾り、師の足元を象徴的に礼拝することは、この日の最も神聖な行為の一つです。
断食の内容は、一日中固形物を摂らない厳格なものから、果物や牛乳のみで過ごすものまで様々ですが、共通して重視されるのは「聴聞(シュラヴァナ)」です。
人々は師の講話を聞き、聖典を読み、真理について思索します。
特に『グル・ギーター』の朗読は強く推奨されており、グルの重要性と、グルへの奉仕がいかにして解脱をもたらすかが説かれます。
また、多くの家庭では「サティヤナーラーヤナ・プージャー(ヴィシュヌ神の礼拝)」が行われ、満月の夜に家族が集まって神の物語を聞き、家庭の繁栄と平和を祈ります。
このヴラタにおける「ダーナ(布施)」は、知識に関連するものが尊ばれます。
書物や経典を寄付すること、学生に文房具や学費を支援すること、そして僧侶や修行者に衣服(特にサフラン色の衣)や傘、履物を提供することが推奨されます。
雨季の始まりであるため、傘や履物は実用的な必需品として喜ばれると同時に、人生の雨風から守られるという象徴的な意味も持ちます。
アーシャーダ・プールニマー・ヴラタは、単なる儀式を超えて、自分を導いてくれる存在への感謝を深め、自らもまた真理の探究者として生きる決意を新たにする、魂の再生の日となります。