ジェーシュタ・プールニマー
ジェーシュタ・プールニマーについて
ジェーシュタ・プールニマーは、ジェーシュタ月(5月〜6月)の満月の日を指します。
この日は待望の雨季(ヴァルシャー・リトゥ)への入り口となります。
この満月の日は、宗教的な重要性に加えて、季節の変わり目としての意味合いも強く、各地で独特な儀式や祝祭が執り行われます。
特に有名なのは、オリッサ州プリーのジャガンナータ寺院で行われる「スナーナ・ヤートラー(沐浴祭)」です。
スナーナ・ヤートラーは、来るべきラタ・ヤートラー(山車祭り)の前奏曲となる重要な儀式です。
この日、ジャガンナータ神、兄のバララーマ神、妹のスバドラー女神の神像が聖所から運び出され、公衆の面前にある沐浴台に安置されます。
そして、黄金の井戸から汲み上げられ、薬草や香料で清められた108壺もの聖水が神々に注がれます。
信じられているところによると、この過度な水浴びによって神々は「熱病」にかかり、その後15日間「アナヴァサラ」と呼ばれる病気療養期間に入って、一般の信者からは姿を隠してしまいます。
この儀式は、神さえも人間と同じように夏の暑さと季節の変化の影響を受けるという、親密で人間味あふれる信仰心を表しています。
また、この日は北インドを中心に崇敬される神秘主義詩人、カビールの降誕祭「カビール・ジャヤンティー」でもあります。
カビールは、ヒンドゥー教とイスラム教の形式的な儀礼を批判し、神は寺院やモスクではなく、人間の心の中に宿ると説いた中世の偉大な聖者です。
カビールの誕生日は満月の光のように真理を照らす日とされ、信奉者たちはカビールの詩を朗読し、宗教やカーストの壁を越えた愛と平等を称えます。
カビールの教えに従い、大規模な共食が行われ、すべての人に平等に食事が提供されます。
ジェーシュタ・プールニマーは、農業従事者にとっても重要な節目です。
人々はこの満月を合図に、雨季の作物の準備を始め、豊作を祈って大地と水の神々、そして月の神チャンドラに祈りを捧げます。
満月の夜、川辺ではガンジス川の降下を祝う「ガンガー・ダシャハラー」の名残もあり、水への感謝が捧げられます。
このように、神々の沐浴、聖者の生誕、そして農耕のリズムが重なり合うジェーシュタ・プールニマーは、厳しい夏の終わりと、生命を育む雨の到来を予感させる、希望と浄化に満ちた満月の日となります。