ジェーシュタ・プールニマー・ヴラタ
ジェーシュタ・プールニマー・ヴラタについて
ジェーシュタ・プールニマー・ヴラタは、ジェーシュタ月(5月〜6月)の満月の日に行われる断食および誓戒の実践を指します。
このヴラタは、特に女性にとっては、家庭の幸福と夫や子どもの健康を願う機会となります。
一般的には、ヴィシュヌ神やシヴァ神を崇拝し、真夏の過酷な環境下で信仰心を示し、精神的な涼やかさを得るための修行として行われます。
ヴラタの一日は、日の出前の沐浴から始まります。
この時期、川の水位は下がっていることが多いですが、それでも人々は聖なる川に浸かり、あるいは自宅で水を浴びて身を清めます。
この朝の沐浴は、季節の変わり目に体を整える健康法としての側面も持っています。
清潔な衣服に着替えた後、祭壇にヴィシュヌ神(特にサティヤナーラーヤナ神)の像を安置し、水、果物、花、お香を捧げます。
断食の誓い(サンカルパ)を立てた後は、穀物の摂取を控え、水や果物、乳製品などで過ごします。
この日のヴラタにおいて最も推奨される行為は、「ダーナ(布施)」、特に暑さ対策に関連する物品の寄付です。
水を入れた素焼きの壺、団扇、傘、履き物、そして砂糖や季節の果物(マンゴー、ライチ、メロンなど)を、僧侶や貧しい人々に与えることは、無限の功徳をもたらすとされています。
聖典には、ジェーシュタ月に水を与える者は、決して地獄の苦しみを味わうことはないと記されています。
そのため、ヴラタを行う者は、単に自分が食事を断つだけでなく、他者に涼と安らぎを提供することに重点を置きます。
夜、満月が空に昇ると、再び沐浴や手足の浄化を行い、月に向かってアルギャ(聖水の捧げ物)を行います。
ジェーシュタ月の満月は、赤みを帯びて見えることがあり、その神秘的な光の下でサティヤナーラーヤナ・カター(サティヤナーラーヤナ神の物語)を朗読し、神への感謝を捧げます。
物語の朗読が終わると、火の儀式(アーラティー)を行い、神に捧げたプラサーダを家族と共に頂いて断食を解きます。
ジェーシュタ・プールニマー・ヴラタは、一年で最も暑い日に、自己の欲望を焼き尽くし、冷たい水のような慈悲の心で他者を潤すことを学ぶ、崇高な献身の一日となります。