ヴァイシャーカ・プールニマー・ヴラタ
ヴァイシャーカ・プールニマー・ヴラタについて
ヴァイシャーカ・プールニマー・ヴラタは、ヴァイシャーカ月(4月〜5月)の満月の日に行われる断食および誓戒の実践を指します。
このヴラタは、ブッダ・プールニマーの祝祭の精神を個人の内面的な修行として取り入れたものであり、この日に断食を行い、清浄な生活を送ることは、不慮の死を避け、健康と繁栄を得て、最終的には解脱に至るための道であるとされています。
特に、満月の強力なエネルギーを利用して、心の平穏と精神的な覚醒を求める人々によって熱心に行われます。
ヴラタの実践は、夜明け前の聖なる沐浴から始まります。
川に行けない場合は、自宅の水にガンジス川の水を混ぜ、神聖なマントラを唱えながら身を清めます。
その後、祭壇を整え、ヴィシュヌ神とその化身(ブッダやサティヤナーラーヤナ)の像を安置します。
供物として、香りの良い花、お香、灯明、そして「パンチャームリタ(五種の甘露)」に加え、季節の果物や甘いお菓子(特に牛乳粥であるキール)が捧げられます。
断食の誓い(サンカルパ)を立てた後は、日中、嘘や悪口を避け、怒りを制御し、常に神の御名を唱えて過ごします。
このヴラタの特徴的な要素は、夜に行われる満月への礼拝です。
月の光はソーマ(霊薬)の性質を持つとされ、特にヴァイシャーカ月の満月は精神を鎮静化させる力が強いと信じられています。
人々は月が昇ると、水に牛乳、米、花、砂糖を混ぜたアルギャを捧げ、心身の健康と平和を祈ります。
また、サティヤナーラーヤナ・カター(サティヤナーラーヤナ神の物語)の朗読は、この日の重要な儀式であり、真実を守ることの尊さを再確認します。
この物語を聞くために、家族や友人が一堂に会し、共同体としての絆を深める機会ともなります。
断食の終了(パーラナ)は、通常、月の礼拝とプージャーが完了した後に行われます。
神に捧げたプラサーダを分かち合って食べますが、この日の食事はサットヴァ(純粋)なものであるべきとされ、玉ねぎやニンニクなどの刺激物は避けられます。
そして何よりも、このヴラタの完遂には「ダーナ(布施)」が不可欠です。
砂糖を入れた水や、甘い飲み物を通行人に振る舞うことは、この日に最も推奨される善行です。
ヴァイシャーカ・プールニマー・ヴラタは、単なる苦行ではなく、他者の渇きを癒やすことで自らの魂の渇きも癒やそうとする、喜びと奉仕に満ちた神聖な行いとなります。