チャイトラ・プールニマー
チャイトラ・プールニマーについて
チャイトラ・プールニマーは、チャイトラ月(3月〜4月)の満月の日を指します。
この満月の日は、ヒンドゥー教において非常に吉祥な日とされ、特に北インド全域において「ハヌマーン・ジャヤンティー(ハヌマーン神の降誕祭)」として盛大に祝われることで知られています。
月が「チトラー」ナクシャトラ(星宿)の近くで満ちることからこの名が付いたこの夜、月光は地上に強い生命力と守護のエネルギーをもたらすと信じられています。
この日の主役は何と言っても、力と知恵、そして献身(バクティ)の象徴であるハヌマーン神です。
寺院は早朝から、オレンジ色のシンドゥール(朱粉)を体に塗ったハヌマーン神像を崇める人々で溢れかえります。
人々は「ハヌマーン・チャーリーサー」を一心不乱に唱え、神への絶対的な帰依を示したハヌマーン神の姿に自身の信仰を重ね合わせます。
ハヌマーン神が生まれたとされる日の出の時間に合わせて特別なアビシェーカ(灌頂)が行われ、甘いお菓子(ラッドゥー)や花輪が捧げられます。
この祭りは、肉体的な強さと精神的な謙虚さが両立することの尊さを人々に説くものであり、社会全体が高揚感と敬虔な祈りに包まれます。
さらに、聖なる川での沐浴もこの日の重要な実践であり、特にウッタル・プラデーシュ州のブラジ地方では、クリシュナ神ゆかりの地を巡礼し、ヤムナー川で沐浴することが大きな功徳をもたらすとされています。
季節的には、この満月を境に北インドの気温は上昇の一途をたどり、春の快適さは夏の厳しさへと変化していきます。
そのため、チャイトラ・プールニマーの夜に行われる「サティヤナーラーヤナ・プージャー(ヴィシュヌ神の礼拝)」では、穀物の豊穣を感謝すると同時に、来るべき暑い季節を無事に乗り越えられるよう、水の恵みと健康が祈られます。
このようにチャイトラ・プールニマーは、ハヌマーン神の力強い加護を求め、月の光の下で心身のエネルギーを充填し、季節の推移を受け入れるための、活気に満ちた満月の日となります。