チャイトラ・プールニマー・ヴラタ
チャイトラ・プールニマー・ヴラタについて
チャイトラ・プールニマー・ヴラタは、チャイトラ月(3月〜4月)の満月の日に行われる断食および誓戒の実践を指します。
このヴラタは、ハヌマーン・ジャヤンティーの祝祭と密接に結びついている場合が多く、人々はハヌマーン神、あるいはヴィシュヌ神(サティヤナーラーヤナ)を主たる崇拝対象として、厳格な規律の下で一日を過ごします。
この日に断食を行い、心を清らかに保つことは、精神的な強さを得て恐怖を克服し、人生の障害を取り除くための最も有効な手段であると信じられています。
ヴラタの実践は、ブラフマ・ムフールタ(夜明け前)の起床と沐浴から始まります。
身を清めた人々は、赤い衣服を身に着けることが推奨されることが多く、これはハヌマーン神の象徴的な色です。
祭壇にはハヌマーン神の像や絵画、あるいはヴィシュヌ神(サティヤナーラーヤナ)の像を安置し、水、花、香、そしてトゥラシー(ホーリーバジル)の葉を供えます。
断食のサンカルパ(誓い)を立てた後は、日中の食事を断ちます。
塩や穀物を避けて果物と牛乳のみで過ごす「パラーハーラ」形式や、水さえも飲まない「ニルジャラー」形式など、個人の能力に応じた断食が行われます。
日中は、心を神に向けるための活動に費やされます。
最も一般的な実践は『ハヌマーン・チャーリーサー』や『スンダラ・カーンダ(ラーマーヤナの一部)』の朗読です。
これらの聖典を読む、あるいは聞くことは、心の迷いを断ち切り、ポジティブなエネルギーを充填する行為とされます。
また、サティヤナーラーヤナ・カター(神の物語)を読み、家族や友人と共にその教訓を分かち合うことも、このヴラタの不可欠な要素です。
物語は、真実を守り神を信じる者がいかにして救われるかを説いており、新年度が始まったばかりのこの時期に、倫理的な生活指針を再確認する機会となります。
夕刻、満月が昇ると、再び沐浴や清めを行い、月に向かってアルギャ(聖水の捧げ物)を行います。
月の光は、昼間の暑さで疲弊した心身を癒やす冷涼な性質を持つとされ、その光を浴びながら祈ることで精神の安定が得られます。
プージャーの終了後、神に捧げたプラサーダ(供物)、特に小麦粉を炒って砂糖と混ぜた「パンジーリー」や、果物を混ぜた「パンチャームリタ(五種の甘露)」を拝受し、断食を解きます。
また、この日は暑さが本格化する時期であるため、貧しい人々に水を入れた壺や、団扇、果物、履き物などを寄付する「ダーナ(布施)」を行うことが強く推奨されます。
チャイトラ・プールニマー・ヴラタは、自己の鍛錬と他者への慈悲、そして神への絶対的な信頼を融合させた、春の終わりの崇高な修行のひとときとなります。