パールグナ・プールニマー
パールグナ・プールニマーについて
パールグナ・プールニマーは、パールグナ月(2月〜3月)の満月の日を指します。
この日は、多くの地域でヒンドゥー暦の一年の最後の日と見なされます。
これは、この満月の翌日からヒンドゥー暦の一番目の月にあたるチャイトラ月が始まるためです。
また、この満月は、春の訪れを祝う色彩の祭り「ホーリー」が祝われるとりわけ喜ばしい時となります。
色彩の祭典である「ホーリー」の前夜には、悪に対する善の勝利を象徴する炎が各地で燃え上がります。
この日の中心的な神話は、ヴィシュヌ神の敬虔な信者である少年プラフラーダと、彼を焼き殺そうとしたホーリカーの物語です。
不死身の恩恵を受けていたはずのホーリカーが炎に焼かれ、ヴィシュヌ神の加護を受けたプラフラーダが無傷で生還したという伝説に基づき、人々は夕刻以降、吉兆な時間を見計らって焚き火(ホーリカー)に火を点じます。
この炎は、不浄なもの、邪悪なもの、そして人々の心の中に巣食うエゴや悪意を焼き尽くす象徴とされています。
満月の光と焚き火の炎が交錯する中、人々は火の周りを回りながら、健康と繁栄を祈り、新しく収穫された穀物や供物を火に投じます。
また、この日はベンガル地方やオリッサ地方、そして世界中のヴィシュヌ派の信徒にとって、「ガウラ・プールニマー」として知られる極めて神聖な日でもあります。
15世紀の聖人であり、クリシュナ神の化身と信じられているチャイタニヤ・マハープラブの生誕日であるためです。
チャイタニヤ・マハープラブは「ハレー・クリシュナ」のマントラを広め、バクティ・ヨガ(信愛の道)を説いた人物であり、この日、人々は断食を行い、キールタン(聖歌)を歌い踊り、アビシェーカ(神像への灌頂)を行って聖人の降誕を盛大に祝います。
月が黄金色に輝くと言われるこの夜、信愛の感情は最高潮に達します。
さらに、南インドや一部の地域では、この日は「ラクシュミー・ジャヤンティー(ラクシュミー女神の降誕祭)」としても祝われます。
一説に、乳海攪拌の際に海からラクシュミー女神が現れたのがこの日であるとされ、富と繁栄を願う儀式が執り行われます。
このようにパールグナ・プールニマーは、社会的、文化的に多層的な意味を持つ日です。
厳しい冬が完全に去り、生命力に満ちた春(ヴァサンタ)がその美しさを極める時期に、人々は焚き火の周りで古い年の穢れを祓い、翌朝に控えたホーリーの色粉の掛け合いに向けて心を躍らせます。
それは、一年のサイクルが無事に完了したことへの感謝と、生命の再生を祝う、カレンダーの最後を飾るにふさわしい壮大な満月の日となります。