パールグナ・アマーヴァシャー
パールグナ・アマーヴァシャーについて
パールグナ・アマーヴァシャーは、パールグナ月(2月〜3月)の新月の日を指します。
この日は、暦の上での一年の終わりが近づく中で迎える新月であり、精神的な浄化と内省のための重要な日とされています。
夜空に月が見えないこの暗闇の日は、祖先の霊を鎮め、自身のルーツとの繋がりを再確認するために捧げられます。
このアマーヴァシャーの直前には、シヴァ神の最大の祭典「マハーシヴァラートリ」が祝われます。
したがって、パールグナ・アマーヴァシャーは、シヴァ神への熱烈な祈りと断食が行われた直後に訪れる静寂の日となります。
多くの人々は、マハーシヴァラートリの祭儀を終えた後、このアマーヴァシャーの日に聖なる川で沐浴(スナーナ)を行い、一連の儀礼を締めくくります。
聖地、特にガンジス川の岸辺では、この日も多くの巡礼者が祈りを捧げ、自身の魂の浄化と解脱を願う姿が見られます。
パールグナ・アマーヴァシャーの主要な意義は、祖先崇拝(ピトリ・タルパナ)にあります。
ヒンドゥー教の伝統において、新月の日は祖先の霊が地上に最も近づく日と信じられており、子孫が水、胡麻、米、花を捧げることで、祖先は満足し、一族に繁栄と平和をもたらすとされています。
特に、不慮の死を遂げた魂や、成仏できていない霊の平安を祈るのに適した日とも考えられています。
また、占星術的な観点からは、「カーラ・サルパ・ドーシャ(不運をもたらす星の配置)」などの否定的な影響を緩和するための儀式を行うのにも良いタイミングとされており、専門の僧侶に依頼して特別なプージャーを行う人々も少なくありません。
マハーシヴァラートリを終えた後、春の祭典ホーリーへと向かうこの時期には、心身の澱(おり)を完全に洗い流し、精神的なバランスを取り戻すことが求められます。
そのため、人々はこの日に断食を行ったり、貧しい人々に食事や衣類を寄付する「ダーナ(布施)」を行ったりして功徳を積みます。
冬の終わりの澄んだ空気の中で、静かに自己を見つめ直し、祖先への感謝と神への帰依を新たにするパールグナ・アマーヴァシャーは、華やかな春の祭りが始まる前の、最後の静謐な休息と浄化のひとときとして機能しています。