パウシャ・プールニマー
パウシャ・プールニマーについて
パウシャ・プールニマーは、パウシャ月(12月〜1月)の満月の日を指します。
インド全土、特に北インドにおいて、この日は非常に縁起の良い日とされ、大規模な行事や祭礼が執り行われます。
満月の輝きが極まるこの時、月は通常プシャ・ナクシャトラ、あるいはその近辺に位置しており、その光は地上に繁栄と平和をもたらすと信じられています。
この日の最も顕著な実践は、聖なる川での沐浴(スナーナ)です。
特にウッタル・プラデーシュ州のプラヤーグラージ(イラーハーバード)にあるガンジス川、ヤムナー川、サラスヴァティー川の合流点においては、世界最大級の宗教的集会である「マーガ・メーラー」がこのパウシャ・プールニマーを皮切りに始まります。
何十万、何百万という巡礼者が、夜明け前の極寒の中で聖なる水に浸かり、罪を浄化し、解脱(モークシャ)を願います。
この日から始まる約1ヶ月間、敬虔なヒンドゥー教徒たちは「カルパヴァーサ」と呼ばれる苦行に入り、川岸でテント生活を送りながら、質素な食事と祈りの日々に身を捧げることがあります。
また、パウシャ・プールニマーは、シャーカンバリー女神の降誕祭(ジャヤンティー)としても知られています。
シャーカンバリー女神はドゥルガー女神の化身の一つであり、かつて世界が深刻な干ばつと飢饉に見舞われた際、自らの体から野菜や果物、薬草を生み出して生きとし生けるものを養ったとされる慈悲深い女神です。
そのため、この日は「シャーカンバリー・プールニマー」とも呼ばれ、野菜や果物を供えて女神を崇拝し、食糧の豊かさと自然の恵みに感謝を捧げる儀式が行われます。
さらに、この日はチャッティースガル州などの一部の地域では、農村部を中心に「チェールチェーラー」と呼ばれる収穫祭が行われることもあります。
人々は新米を喜び、家々を回って穀物の寄付を募り、共同体全体で喜びを分かち合います。
このようにパウシャ・プールニマーは、精神的な浄化の儀式と、農業的な豊穣への感謝、そして厳しい冬を乗り越えるための社会的な連帯が融合した、多層的な意味を持つ祝祭日となっています。
月が完全に満ちるこの夜、人々は物理的な月明かりだけでなく、精神的な光明をも求めて祈りを捧げ、一つのサイクルの完了と新たなサイクルの始まりを祝います。