パウシャ・プールニマー・ヴラタ
パウシャ・プールニマー・ヴラタについて
パウシャ・プールニマー・ヴラタは、パウシャ月(12月〜1月)の満月の日に行われる断食および誓戒の実践を指します。
パウシャ・プールニマーという日が暦上の日付や祝祭としての側面を指すのに対し、ヴラタはその日に行われる個人の信仰実践や修行の側面に焦点を当てたものです。
このヴラタを遵守することは、ヒンドゥー教徒にとって魂を浄化し、現世での願いを成就させ、最終的には解脱に至るための強力な手段であると信じられています。
このヴラタの主たる崇拝対象は、ヴィシュヌ神、特にその化身の一つであるサティヤナーラーヤナ神(真実の神としてのヴィシュヌ神)と、富と繁栄の女神ラクシュミーです。
人々は日の出前、ブラフマ・ムフールタと呼ばれる吉兆な時間に起床し、聖なる川で沐浴を行うか、それが叶わない場合は自宅の水にガンジス川の水を数滴混ぜて身を清めます。
清潔な衣服に着替えた後、祭壇を整え、「今日は一日、食事を断ち、清らかな心で神を崇拝します」というサンカルパ(誓い)を立てることからヴラタは始まります。
断食のルールは厳格であり、一般的には日中の固形物の摂取を禁じます。
水や果物のみで過ごす場合もあれば、完全に何も口にしない場合もありますが、それは個人の健康状態や信仰の深さによって異なります。
日中は嘘をつくこと、怒ること、他者を傷つけることを慎み、常に神のマントラを唱えたり、神聖な物語を読んだりして過ごします。
特に「サティヤナーラーヤナ・カター(サティヤナーラーヤナ神の物語)」の朗読や聴聞は、このヴラタにおいて不可欠な要素とされており、家族や近隣の人々が集まってこの物語に耳を傾け、神の恩寵と真実を守ることの重要性を再確認します。
夕刻、月が昇る頃になると、再び祈りを捧げ、月に水と米、花を混ぜたアルギャ(聖水の捧げ物)を行います。
その後、プージャー(礼拝)を締めくくり、神に捧げた供物(プラサーダ)を分け合ってから断食を解きます。
このヴラタを行うことによって、過去の罪障が消滅し、精神的な平穏が得られるだけでなく、家庭内の不和が解消され、経済的な困難からも救われるとされています。
パウシャ月の寒さの中で欲望を制御し、飢えと渇きに耐えて祈りを捧げるこの行為は、単なる儀式を超えて、自己の精神を鍛え上げるための高度な修養として機能しています。
それは、外的な環境がいかに厳しくとも、内なる信仰の炎を絶やさないという、人間の意志の強さを神に示す行為でもあります。