パウシャ月の始まり
パウシャ月の始まりについて
パウシャ月の始まりは、西暦では概ね12月から1月にかけての時期に相当し、インド亜大陸においては本格的な冬の到来を告げる月となります。
この月は天文学的に非常に重要な意味を持っています。
パウシャ月という名称は、満月の日に月が「プシャ」というナクシャトラ(星宿)の近くに位置することに由来しています。
この時期、太陽は射手座(ダヌ)を通過しており、その後、山羊座(マカラ)へと移行する準備期間でもあります。
太陽が射手座にある期間は、一般的に結婚式などの世俗的な吉事を避けるべき「カラマーサ(マラマーサとも)」と呼ばれる時期と重なることが多く、そのためパウシャ月は華やかなお祝い事よりも、個人の内面的な修行や祈り、慈善活動に適した月とされています。
季節的には、ヘーマンタ・リトゥ(初冬)からシシラ・リトゥ(晩冬)への移行期にあたり、寒さが厳しくなるにつれて、人々は太陽の温かさとその恵みに感謝を捧げるようになります。
実際に、パウシャ月において太陽神は「プーシャン」という名のアーディティヤ(太陽の化身の一つ)として崇められます。
プーシャンは養育者であり、旅人の守護者 、そして家畜を見守る神としての側面を持っており、厳しい冬の時期に生命を維持する力として信仰されています。
この月の始まりは、単なるカレンダー上の区切りではなく、日々の生活習慣や食事、礼拝の対象が冬仕様へと切り替わるタイミングでもあります。
人々はこの月から、体を温める効果があるとされる胡麻やジャガリー(粗糖)を用いた食事を積極的に摂るようになり、早朝の沐浴を通じて精神力を高める修行に入ります。
このように、パウシャ月の始まりは、自然界の寒冷化と反比例するように、人々の信仰心が熱を帯び、内省的な精神活動が活発化するサイクルの起点として機能しています。