ダンテーラス
ダンテーラスについて
ダンテーラスは、およそ5日間にわたって祝福されるディーワーリーの始まりとして祝福される祝日です。
「ダン」は富を、「テーラス」は13日目を意味し、カールッティカ月(10月〜11月)のクリシュナ・パクシャ(満月から新月へ向かう半月)の13日目に行われる富の祝祭として知られます。
ダンテーラスは、新しいものや金や銀といった価値あるものを購入したり、新しい事業を始める吉兆な日として知られます。
富と財宝の神として崇められるクベーラ神や、幸運や繁栄の女神として崇められるラクシュミー女神が盛大に礼拝されます。
富を祝福するこのダンテーラスには、富だけではないとても深い意味が秘められています。
そこにはある言い伝えがあります。
ある若王は、結婚から4日目に蛇にかまれて死ぬという運命をホロスコープに持っていました。
若王が結婚した後、妻となった女性は、その4日目にありとあらゆる宝石や装飾品で家を飾り付け、美しい歌を歌い始めます。
蛇となって現れた死の神ヤマは、輝く装飾に目がくらみ若王のもとに近づけず、また、若妻の歌う美しい歌に酔いしれました。
結局、死の神ヤマは若王に死を与えることなく、その場を去って行ったと伝えられます。
この日がダンテーラスにあたり、若王の妻が行ったように家々を煌びやかに飾りつけることで、悪いものが追い払われると信じられています。
実際に多くの家庭では、この日からディーワーリーに向けさまざまな飾りつけを行い、光を灯し始めます。
この言い伝えは、ホロスコープに書かれた運命すらも、私たちは正しい行いによって変えることができるということを物語っています。
若妻の夫を思う心が生み出した美しい行いは、夫の運命を、また若妻自身の運命を変えました。
このように、一瞬一瞬の出会いや行いを、大きな気づきと共に正しい思いで全うすることで、その先には明るい未来が待ち受けていることを私たちに伝えています。
また、アーユルヴェーダの神であるダンヴァンタリ神はこのダンテーラスに降誕したと信じられ、ダンヴァンタリ神の降誕祭が祝福される慣習もあります。