ガタスターパナ
ガタスターパナについて
ガタスターパナは、女神を讃える9日間のナヴァラートリにおいて欠かせない儀式のひとつであり、アーシュヴィナ月(9月〜10月)のシュクラ・パクシャ(新月から満月へ向かう半月)の1日目に祝福されます。
「ガタスターパナ」は、「壺」を意味する「ガタ」と、「設置」を意味する「スターパナ」に由来し、大麦を蒔いた苗床に壺を設置する儀式として知られます。
これは女神を呼び覚ます儀式となり、ドゥルガー女神に捧げられる9日間のナヴァラートリの始まりを告げるものとして祝われます。
【儀式の過程と意義】
1.苗床の準備:プレートなどの上に苗床となる土を準備します。その土に大麦の種を蒔きます。
2.カラシャの準備:カラシャ(壺)に聖紐を巻き、聖水を満たしたら、マンゴーの葉を飾り、赤い布を巻いたココナッツをのせます。カラシャの中には、ビンロウ、香油、コインなど、神聖なものを入れる場合もあります。
3.祈りの始まり:準備した苗床の上にカラシャを置き、礼拝を開始します。蒔いた大麦の種は9日間の間に芽を出し、後に儀式や祝福に用いられます。
4.継続的な礼拝: カラシャと苗床は9日間、1日に朝と夕の2回、光を灯して礼拝されます。一貫した献身と祈りを意味します。
ガタスターパナの壺は宇宙を象徴し、壺の中の聖水は、生命を創造し維持する可能性を秘めた神聖な力と見なされます。
その神聖な力は、ナヴァラートリで礼拝されるドゥルガー女神であり、シャクティとして崇められます。
ガタスターパナは、その女神の力を呼び覚まし、家に招き入れるもので、私たちの生活に神聖なエネルギーが注入されることを象徴します。
ドゥルガー女神はナヴァラートリの期間中、壺(ガタ)の中に宿り、繁栄と守護の祝福を注いでくれると信じられています。
大麦の種を蒔き、9日間の間に発芽させることは、成長、豊穣、繁栄を象徴します。
大麦は吉祥の象徴とされ、発芽する大麦は注がれる女神の祝福を意味すると考えられています。
この儀式は、五大元素(土、水、火、空、風)を象徴的に結びつけ、私たちの生活の中で調和させることも目的としています。
土、水、種、香、光の使用は、これらの要素を儀式で統合し、バランスの取れた生活と霊的成長を促します。
ガタスターパナとナヴァラートリにおけるドゥルガー女神への祈りは、単なる礼拝や儀式ではなく、音楽、舞踊、祝宴を伴う祝祭でもあります。
この祭事は、生命と神聖な祝福を讃え、私たちの生活に喜びと活力をもたらします。