ローヒニー・ヴラタ
ローヒニー・ヴラタについて
ローヒニー・ヴラタは、ジャイナ教において受け継がれる慣習であり、主に女性が家内の安全を祈って行う断食の戒律です。
女性だけでなく、夫婦や家族で行われることもあります。
ローヒニーは、愛や情熱に関連するナクシャトラ(星宿)であり、ローヒニー・ヴラタはこのナクシャトラの日に行われます。
ローヒニー・ナクシャトラの日は1年に約12回あり、5年5ヶ月の間、この日の断食を行うことが勧められています。
この他、3年、5年、7年といった期間で行われる場合もあります。
この戒律によって自制心や忍耐力が培われ、欲望を制御し困難を乗り越える力が与えられると伝えられます。
そして、家庭内で良い価値観や理解が育まれることで、家族の幸福や繁栄、生活の質の向上がもたらされると信じられています。
ローヒニー・ヴラタにはある言い伝えがあります。
かつて、過去のカルマによって生じた呪いにより、困難な人生を送るある娘がいました。
娘はその呪いを解くために、賢者から勧められたローヒニー・ナクシャトラにおける断食を5年5ヶ月にわたって真摯に努めます。
その結果、呪いは解かれ、後にローヒニーという娘に生まれ変わると、ハスティナープラのアショーカ王の妃になったと伝えられます。