チャンドラ・ダルシャナ
チャンドラ・ダルシャナについて
チャンドラ・ダルシャナは、新月(アマーヴァシャー)の後、はじめて月(チャンドラ)が見える日を意味し、多くの慣習において月の礼拝が行われます。
新月の翌日、太陽が沈んだ後の西の空の低いところに、細い月を見ることができます。
季節によって異なりますが、見えるのは1時間前後のわずかな時間であるため、チャンドラ・ダルシャナは月を崇める貴重な時間となります。
月のない暗い夜の後、新しく姿をあらわす月を目にすることは前向きで吉祥な行いとみなされ、この日に月を目にし崇めることで、幸運や繁栄がもたらされると信じられています。
チャンドラ・ダルシャナにおいて、人々は日の出の前から断食を始め、日の入の後に月を目にした後に月の礼拝を行い、断食を終えます。
この日の断食は、肉体を浄化するだけでなく、魂を浄化し、心の平安を得ることに役立つといわれます。
この日に行われる寄付や布施も吉祥であると考えられています。
月はチャンドラ神として崇められ、美しさ、静寂、悟りといった象徴があり、憐れみ深く慈悲深い性質があるといわれます。
心と感情を支配することから、月の礼拝によってネガティブな思考や感情が浄化され、人生に対して前向きな姿勢をとる力を与えられるといわれます。
また、月は神々と人間に栄養と活力を与えるとされるソーマ(なんらかの植物から作られたとされる神酒)とも関連づけられ、その力によって、生きとし生けるものの生命を健やかに保つと伝えられます。
その力は先祖の供養にも恩恵があると信じられています。
チャンドラ・ダルシャナの断食は、ヴァータ、ピッタ、カパのバランスを保つ有益な行いであるとも伝えられます。
このバランスは、生涯を通じて病気になる可能性を減少させる恩恵があるとされ、チャンドラ・ダルシャナの戒行は、幸福や繁栄のためだけでなく、健康にとっても恩恵高いと考えられています。