ラリター・ジャヤンティー
ラリター・ジャヤンティーについて
ラリター・ジャヤンティーは、マーガ月(1月〜2月)の満月にラリター女神の降誕祭として祝福される吉日です。
ラリター女神は、ドゥルガー女神の10の化身である女神たち、ダシャ・マハーヴィディヤーの3番目の女神です。
ラリター女神は、トリプラ・スンダリー、カーメーシュヴァリー、シュリーヴィディヤー、カーマークシー、ショーダシーなど、数多くの名前で知られています。
シャクティ派ではもっとも重要な女神の1柱として崇められ、母なるシャクティを崇める修行者は、トリプラ・スンダリー女神をアーディ・シャクティまたはパラ・ブラフマンとして崇拝しています。
ラリター女神は、トリプラ・スンダリーという名前でとりわけ広く崇められます。
トリプラ・スンダリーという名前は、文字通り、三界でもっとも美しい女性を意味します。
それは、人が自分自身の中に全宇宙を見る時に生じる、純粋な認識の究極的な美しさを意味します。
このトリプラ・スンダリー女神の降誕には、さまざまに異なる神話が伝わります。
その一つは、トリプラ・スンダリー女神は世界を恐怖に陥れたバンダースラを倒すために生まれたと伝えます。
ある時、世界はシヴァ神の子ども以外には倒されないという力を持った凶悪な悪魔との戦いに直面していました。
しかし、最初の妻であるサティーを亡くし深く長い瞑想を続けていたシヴァ神は、サティーがパールヴァティーとして姿を現し再び結ばれる時を迎えるも、目を閉じ瞑想に耽ったままでした。
そんなシヴァ神を目覚めさせようと、愛の神であるカーマデーヴァが愛の矢を放ちます。
すると、怒ったシヴァ神の第三の目が開き、そこから出た閃光によってカーマデーヴァは焼き尽くされ、灰となりました。
カーマデーヴァの妻であるラティは、カーマデーヴァを蘇らせるよう懇願すると、シヴァ神はその灰に恩寵を与えます。
すると、灰からバンダースラという悪魔が生まれてしまいます。
そして、バンダースラは世界を支配し始めてしまいました。
世界を救うため、神々が祈りを捧げると、シャクティがトリプラ・スンダリー女神となってあらわれ、バンダースラを倒したと伝えられます。
ラリター・サハスラナーマム、トリプラ・ウパニシャッド、ブラフマンダ・プラーナなどの経典では、トリプラ・スンダリー女神は創造、維持、破壊を司どる最高意識として讃えられます。
ここでトリプラ・スンダリー女神は、ジャーグリタ(目覚めている状態)、スヴァプナ(夢見の状態)、スシュプティ(夢を見ない睡眠状態)の3つの意識状態の女神と見なされています。
トリプラ・スンダリー女神は、知識、幸福、平和、繁栄、そして最終的には解放をもって帰依者を祝福すると信じられます。