オーナム・フェスティバル
オーナム・フェスティバルについて
オーナム・フェスティバルは、南インド・ケーララ州において、王国を追われたマハーバリ王が愛する国民たちの下へ戻る日、またそのマハーバリ王が解脱を得た日として祝福される吉日です。
ケーララ州のマラヤーラム暦におけるチンガム月(8月〜9月)のシュラヴァナ・ナクシャトラにおいて祝福されます。
マハーバリ王は神々と敵対するアスラの生まれでしたが、非常に信心深く献身的で、国民から愛される偉大な王として知られます。
地と空と天の3界は、そんなマハーバリ王に統治され、神々は力を失っていました。
ヴィシュヌ神は世界を神々の手に戻そうと、5番目の化身である矮人ヴァーマナに化身しマハーバリ王に歩み寄ります。
そして、3歩分の土地が欲しいと述べると、マハーバリ王は快く、その土地を与える約束をしました。
すると、矮人であったヴァーマナが巨人となり、2歩で世界を跨いでしまいます。
信心深いマハーバリ王は、約束通りヴァーマナに3歩分の土地を与えようと、最後に唯一残った領地である自らの頭を差し出します。
そうしてヴァーマナはマハーバリ王の頭を踏みしめ、世界を神々に取り戻させました。
マハーバリ王がアスラでありながらも国民に深く愛されたのは、潔く自らの頭を差し出したように、信心深く献身的な姿勢があったからだといわれます。
それでも王国を追われたのは、マハーバリ王がアスラであったということと、王としてのエゴがあったからでした。
ヴァーマナが要求し、マハーバリ王が差し出した3歩分の土地は、地と空と天にあたります。
それはまた、物質と精神と魂、現在と過去と未来などともいわれます。
これらは、私たちが潔く神々へと差し出すべくものでもあります。
そうする時、私たちは神々に統治され、エゴは静まり、真の豊かさや平和をその内に築くことができると信じられます。