ダヒー・ハーンディー
ダヒー・ハーンディーについて
ダヒー・ハーンディーは、世界中で盛大な祝福が行われるクリシュナ降誕祭の中で祝福される熱狂的なお祭りです。
通常は、クリシュナ降誕祭の次の日に祝福されます。
ダヒーはヨーグルト、ハーンディーは土壺を意味します。
このお祝いでは、人々が団結をしながら人間ピラミッドを作り、高いところに吊り下げられた土壺をココナッツなどで割ります。
そして、中にはいったダヒーを浴びると、クリシュナ神の大きな祝福があると伝えられています。
いたずら好きなクリシュナ神は、幼少の頃、大好物のバターやヨーグルトを盗んでは食べていました。
高いところに隠されたバターの入った壺を、友人たちと肩車をしながら盗む絵も描かれるほどです。
ダヒー・ハーンディーは、この一場面を真似た祝祭です。
現在ではピラミッドの高さが競われ、インドの数ある祝祭の中でも、とりわけ大きな熱狂に包まれるお祝いとして有名です。
このダヒー・ハーンディーにも、霊性を育むさまざまな教えが秘められています。
例えば、土壺は、私たちの肉体と見ることができます。
そして、その中に入ったダヒーは、肉体をまとった魂のように見えます。
私たちが大いなる至福を得るには、魂の永遠性を理解することが必要であると古代より説かれてきました。
そのためには、肉体は朽ち滅び、いずれ壊れるという事実を理解しなければなりません。
このダヒー・ハーンディーは、肉体から魂を解放する喜びの意味を私たちに伝えています。
しかし、それは決して簡単ではないことが分かります。
高いところに吊り下げられた土壺を割るには、目標に対する人々の固く定まった心が必要です。
一人の心でも乱れれば、ピラミッドはいとも簡単に崩れ落ち、土壺に届きません。
まるで、神の祝福は手の届かないところにあるもののように見えます。
しかし、クリシュナ神はどんなところに隠されたバターでも見つけ出し、その喜びを手にしてきました。
目標に対し、確かに定まった心があれば、どんな困難をも乗り越え、それを手にすることができるということをクリシュナ神は伝えています。
そうして人生を歩む時、私たちは肉体を超越した永遠の魂という、何よりもの祝福を得ることができるでしょう。