パラシュラーマ・ジャヤンティー
パラシュラーマ・ジャヤンティーについて
パラシュラーマ・ジャヤンティーは、ヴィシュヌ神の6番目の化身として崇められるパラシュラーマ神の降誕祭です。
ヴァイシャーカ月(4月〜5月)のシュクラ・パクシャ(新月から満月へ向かう半月)のトリティーヤー(3日目)がその日にあたります。
パラシュラーマ神は、司祭階級のブラフミンの生まれであったとされますが、武士階級のクシャトリヤの質を備えていたといわれます。
シヴァ神を師として仰ぎ、厳しい苦行を行うと、シヴァ神は斧(パラシュ)を授けるとともに、武道を伝授しました。
そうして得たパラシュラーマ神の力は、この世の中の混乱を鎮めるために発揮されます。
武士階級のクシャトリヤがその力を乱用し、世の中を混乱に陥れていた時のことでした。
パラシュラーマ神はシヴァ神から授けられた斧で、数々のクシャトリヤを倒し、世の中に平和をもたらしたと伝えられます。
そんなパラシュラーマ神は、ハヌマーン神とともに、7人のチランジーヴィー(不死者)に数えられる存在です。
悪を滅ぼす術を会得したパラシュラーマ神は、カリ・ユガの最後、ヴィシュヌ神の10番目の化身であるカルキ神があらわれ世界の悪を滅ぼす時、カルキ神の師になると信じられています。
一説に、パラシュラーマ神はチランジーヴィー(不死者)として、マヘーンドラ山脈(オリッサ州)で苦行を続けていると伝えられます。
しかし、パラシュラーマ神がいるのは、私たちの内なる世界でもあります。
欲望に目がくらみ、自分自身の役割や本質をいとも簡単に見失う私たちは、日々の中で繰り返し混乱を経験します。
真の幸福に至るためには、本質に定まり、自分自身の内に潜む混乱を鎮める術を学ぶ必要があり、パラシュラーマ神はシヴァ神への長い苦行の賜物として、その術を獲得し、世界に平和をもたらしました。
私たちが神々に心を定め自分自身の役割をまっとうする時、それは何よりもの苦行となり、世界は真の幸福に向かって巡っていくでしょう。