■ティヤーガラージャスワミ寺院（ティルヴォッティユール）について■

インド南部タミル・ナードゥ州ティルヴォッティユールに佇むティヤーガラージャスワミ寺院は、またの名をアーディプリーシュワラ寺院といい、長い時を超えて人々の信仰を受け継いできた神聖な場所です。
この地で祀られる主神はシヴァ神であり、「ティヤーガラージャ（犠牲の王）」の御名で親しまれています。
この寺院は、神々の遊戯と聖者たちの物語、そして神秘的な恩寵の舞台となっており、来る者すべての魂を深く揺さぶり続けています。

この地にまつわる最も古い神話のひとつは、ブラフマー神のヴェーダが悪魔に奪われ、海の底に隠されたという出来事に始まります。
ヴィシュヌ神は魚の姿（マツシャ・アヴァターラ）となってヴェーダを奪還し、ここティルヴォッティユールのシヴァ神にその浄化を願いました。
シヴァ神は喜び、それらを清め、再び宇宙に叡智を広めたと伝えられています。
そのとき、神々の願いを叶える木がこの地に根付き、寺院の聖なる御神木となったと信じられています。

また、詩聖スンダラル（スンダラル・ナーヤナール）との霊的な逸話も語り継がれています。
スンダラルはティヤーガラージャ神を深く敬愛しており、彼の賛歌によってティルヴォッティユールの神は広く崇拝されるようになりました。

あるときスンダラルはシヴァ神の許しなくこの地を離れ、シヴァ神はその失礼を戒めるためにスンダラルの視力を奪いました。
後にスンダラルが懺悔して帰還し、再びシヴァ神を称えたとき、シヴァ神は慈悲の心でスンダラルの視力を回復させたと伝えられています。

さらに、この寺院はシヴァ神と対をなすシャクティ、すなわち、トリプラスンダリー女神（地元ではヴァディヴダイ・アンマンとして知られる）の重要な聖地でもあります。
特に「叡智の力（ジュニャーナ・シャクティ）」を象徴する場所として崇敬され、帰依者は女神への祈りによって内なる智慧を得て、直観を目覚めさせることができると信じられています。

ティヤーガラージャスワミ寺院の歴史は少なくとも7世紀にまで遡ります。
パッラヴァ朝の時代には既に存在しており、後のチョーラ朝によって大規模な拡張が行われました。
13世紀のムスリム侵攻によって被害を受けるも、15世紀にはヴィジャヤナガル王国の庇護によって再建され、現在の壮大な姿を取り戻したと伝えられます。
こうした歴史の荒波を乗り越えながらも、ティルヴォッティユールの地は今なお、信仰と芸術の光を絶やすことなく灯し続けています。

この寺院の建築は典型的なドラヴィダ様式であり、壮麗なゴープラム（大塔門）がまず巡礼者を迎えます。
その彫刻には神々や聖者の物語が繊細に刻まれており、歩む者に聖典の教えを思い起こさせます。
境内にはシヴァ神の様々な姿――瞑想する導師ダクシナームールティ、炎の柱から現れるリンゴードバヴァ、守護のバイラヴァなど――が祀られています。
そして、ティヤーガラージャとしての舞踊するシヴァ神もまた、特別な殿堂に祀られており、スンダラルの賛歌を通してこの地に舞をもたらしたと信じられています。

ティヤーガラージャスワミ寺院は、単なる礼拝の場ではなく、魂の奥深くに響く、静かな変容の空間です。
シヴァ神はここで犠牲の王として、生命の舞いを導きます。
その舞は、創造・維持・破壊という宇宙のサイクルを象徴しており、参拝者はそれを通して「無常」の真理と「永遠」の本質を直観すると伝えられます。

一方、ヴァディヴダイ・アンマンは、内なる目覚めを与える叡智の女神として、苦悩する者の心を優しく照らします。
女神への祈りは、無知を払拭し、真我への気づきをもたらすと信じられています。

ティルヴォッティユールのティヤーガラージャスワミ寺院は、歴史、神話、建築、そして霊的な恩恵のすべてが融合する、まさに魂の聖域です。
石に刻まれた祈り、空に満ちる賛歌、目に映る神々の舞、そのすべてが、訪れる者の心に「シヴァの舞」のリズムを刻みます。

ここでは、神は遠い存在ではなく、目の前の灯明の奥、心の内なる静けさの中に宿る存在として、今なお人々を魅了し続けています。

■寺院の詳細■

・場所：ティヤーガラージャスワミ寺院（ティルヴォッティユール）

・主神：ティヤーガラージャ神（シヴァ神）
・特徴：シヴァ神の舞と智慧の光が交わる聖地として有名
・建築：ドラヴィダ建築
・歴史：少なくとも7世紀にまで遡る

■このプージャー・サービスの内容■

・ティヤーガラージャスワミ寺院（ティルヴォッティユール）でのアルチャナ（神前において僧侶が名前を奏上する儀式）

※お申し込み日（ご入金日）より２週間後（＋14日）からご希望の日程をお選びいただけます。寺院の都合により第１希望での実施が難しい場合があるため、第３希望までの日程をご入力ください。
※２〜３ヶ月後に、プージャーのプラサーダムをお送りいたします（写真は付属いたしません）。
※お申し込み時に、祈願者名、ナクシャトラ（未記入でも可。必要な場合は生年月日・誕生地住所・誕生時間をお知らせいただければ、確認させていただきます）をお知らせください。
※１回のお申し込みで、同じ姓のご家族４名様までご参加いただけます。
※お送りするプラサードは１回のお申し込みにつき１名様分のみとなります。人数分のプラサードをご希望の場合は、人数分のお申し込み数が必要となります。
※ご家族でお申し込みいただいた場合、実施寺院によっては、「Yamada Family」などと家族の姓でまとめて実施される場合があります。個人名での実施をご希望の場合は、１回のお申し込みにつき、１名様分のみの情報をご記入ください。