「EXPRESS STAR TELLER」2025年6月号は、インド占星術の深遠な知恵と現代的な応用を融合させた魅力的な一冊です。今号の目玉は「弱い太陽が有名人の地位を与える」という革新的な特集で、アイシュワリヤー・ライ、シャー・ルク・カーン、チャールズ皇太子など世界的な有名人のホロスコープを分析し、従来の占星術の常識を覆す新しい視点を提示しています。また、マトゥラー近郊の聖地コキラヴァンのシャニ・デーヴ寺院の特集では、クリシュナ神とシャニ・デーヴの神秘的な出会いの伝説と、この寺院での礼拝がもたらす心の平安について詳述しています。ヨガの達人P.クリシュナン・バラジ氏による健康のための呼吸法の解説、スワミ・ダヤーナンダ・サラスワティ氏の人生の知恵、そして2025年のモンスーン予測など、スピリチュアルな成長と実践的な生活の指針を求める読者にとって必読の内容が満載です。
スワミ・ダヤーナンダ・サラスワティ氏による「グルからの指導」は、人生における決断と行動の本質的な違いについて深い洞察を提供しています。氏は「先延ばし」(postponement)と「ぐずぐず」(procrastination)の根本的な違いを明確に説明しています。先延ばしは、十分なデータが不足している場合の意図的な決定であり、後で行うという明確な意図があります。一方、ぐずぐずは理由のない回避行動であり、困難や不快な作業から逃げる心理的な防衛メカニズムです。 氏が提唱する「ゴールデンルール」は、最も不快なタスクを最初に行うことです。これは単なる時間管理のテクニックではなく、精神的な成長のための重要な実践です。困難な決定や不快な仕事を先に済ませることで、心理的な重荷から解放され、「内なる余暇」が生まれます。この内なる余暇こそが、愛する人々との質の高い時間を過ごすための空間を作り出します。 特に重要なのは、決断を下す際には関係者全員を巻き込むことの必要性です。政府、産業界、家庭において、困難で不人気な決定も下さなければなりません。しかし、より大きな視野を持ち、全体の利益を考慮することで、そうした決定も可能になります。 氏は、ぐずぐずが「内なる余暇を奪う悪役」だと指摘します。未処理の仕事や保留中の問題は、意識の片隅に常に存在し、完全に現在の瞬間に集中することを妨げます。配偶者、子供、両親、兄弟姉妹と一緒にいても、心ここにあらずの状態では、真の意味での質の高い時間を過ごすことはできません。この教えは、現代の多忙な生活において、真の充実と幸福を見出すための重要な指針となっています。
「コキラヴァンのシャニ・デーヴ寺院で平穏な存在のための祝福を求める」と題されたヘママリニ・ラグナタン氏の記事は、マトゥラー近郊の神聖な場所についての魅力的な巡礼ガイドです。この寺院は、クリシュナ神とシャニ・デーヴ(土星の神)の間の特別な出会いの場所として知られています。 伝説によると、ヤショーダー(クリシュナの養母)は、シャニ・デーヴの視線(ドリシュティ)が赤ん坊クリシュナに害を与えることを恐れ、シャニ・デーヴがクリシュナを見ることを禁じました。失望したシャニ・デーヴは森に引きこもり、激しい苦行を行いました。これに感動したクリシュナは、カッコウ(コキラ)の姿で現れ、シャニ・デーヴに祝福を与えました。クリシュナは、この場所をシャニ・デーヴの礼拝に捧げることを約束し、ここで祈る信者たちは心配事から解放されると保証しました。 コキラヴァンという名前は、この森にちなんで付けられました。現在、この寺院はマトゥラーとヴリンダーヴァンの最高の寺院の一つとして知られています。バルカンディ・ババの弟子であるコシ・カラムによって、マトゥラーのコシ・カラム近くに建てられました。寺院は森の中央に位置し、巡礼者たちは寺院のパリクラマ(周回)を行い、聖なる池(クンド)で沐浴します。 信者たちは、コキラヴァンのスーリヤクンド(太陽の池)に浸かることで願いが叶うと信じています。寺院の中庭には聖なる木があり、参拝者は水を捧げ、指で願い事を壁に書きます。寺院は夏の間、毎日開かれており、定期的なプージャ、アールティ、ボーグ(供物)などが行われます。特に土曜日には多くの参拝者で賑わいます。 この寺院はデリーから約140キロメートル、マトゥラーまたはアグラから簡単にアクセスできます。コキラヴァンは平和な場所で、今でも鳥の甘い鳴き声が聞こえます。クリシュナ神自身がシャニ・デーヴに与えた恩恵により、この聖地はシャニ・デーヴの苦行の場所となり、ここで祈る者は皆、心配事から解放されるという約束が今も生きています。