■ナーガナータ寺院について■
南インドのタミル・ナードゥ州、カーヴェーリー川の豊かな恵みを受けたクンバコーナムの近郊に、時を超えて人々の信仰を集め続ける壮大な寺院が静かに佇んでいます。
その名も、ティルナーゲーシュワラムのナーガナータ寺院です。
主神としてシヴァ神が「ナーガナータ(蛇の王の主)」として祀られていますが、この寺院を特別な聖地たらしめているのは、九曜(ナヴァグラハ)の一柱である影の惑星、「ラーフ」を祀る最も重要な寺院であるという事実です。
ここでは、神話の深淵、歴史の重み、そして建築の荘厳さが見事に融合し、訪れる人々に計り知れない恩恵と精神的な安らぎを与えています。
この寺院の神秘性を理解するためには、壮大なインド神話の世界に足を踏み入れなければなりません。
寺院の主役ともいえるラーフの物語は、神々とアスラ(阿修羅)が不老不死の霊薬「アムリタ」を求めて行った「乳海攪拌」の伝説に端を発します。
アスラの一族に生まれたスヴァルバーヌは、神々がアムリタを独占しようとしていることを察知し、巧みに神々の列に紛れ込み、アムリタを口にすることに成功します。
しかし、その不正は太陽神スーリヤと月神チャンドラによってすぐさま見破られ、ヴィシュヌ神が投じたチャクラ(円盤状の武器)によって首を切り落とされてしまいました。
しかし、アムリタが喉を通過していたため、首から上は「ラーフ」、胴体は「ケートゥ」として、それぞれが不死の存在となり、天を巡る惑星としての宿命を背負うことになります。
自らの行いを悔い、ヴィシュヌ神から受けた呪いを解くために、ラーフは地上を彷徨いました。
そして、シヴァ神への深い祈りを捧げる場として選んだのが、このティルナーゲーシュワラムの地でした。
ラーフの長年にわたる苦行と祈りに心を動かされたシヴァ神は、彼を許し、惑星として人々の運命に影響を与える重要な役割と、自身を信仰する者たちの障害を取り除く力を与えました。
以来、この寺院は、占星術においてラーフがもたらすとされる困難や障害、いわゆる「ラーフ・ドーシャ」から人々を救済する、「パリハーラ・スタラム(救済の地)」として、最高の霊験を持つと信じられるようになりました。
この寺院のもう一つの重要な神話は、その名「ナーガナータ(蛇の王の主)」の由来となった、偉大なる蛇の王たちの物語です。
世界の重さをその身で支える千の頭を持つ蛇の王アーディシェーシャ、神々の戦いで猛毒を吐きシヴァ神に救われたカルコータカ、そして英雄アルジュナの孫を死に至らしめたタクシャカなど、伝説的なナーガ(蛇)たちが、それぞれの罪や呪いからの解放を求め、この地でシヴァ神に祈りを捧げたと伝えられています。
そのため、この寺院は蛇にまつわるあらゆる苦難や恐怖を取り除く力を持つとも信じられています。
そして、この寺院の名を世界に知らしめているのが、「ミルク・アビシェーカム」として知られる奇跡です。
ラーフ神像にミルクを注ぎかける儀式の際、白いミルクが神像に触れた瞬間、鮮やかな青色に変わると言われます。
この神秘的な現象は、ラーフ神が人々の捧げた供物を受け入れた神聖な証とされ、一目見ようと国内外から数多くの巡礼者が訪れます。
科学的には、神像が特殊な石材で作られているためではないかと言われるも、帰依者の目には、神の存在を実感する荘厳な奇跡として映ります。
ナーガナータ寺院の歴史は古く、その礎は10世紀頃、南インドに強大な帝国を築いた初期チョーラ朝の王、アーディティヤ1世によって築かれたとされています。
その後、後継の王たちや、16世紀から17世紀にかけてこの地を支配したナーヤカ朝によって増改築が繰り返され、現在の広大で荘厳な姿となりました。
寺院の建築様式は、南インドの寺院建築の典型であるドラヴィダ様式の粋を集めたものです。
空高くそびえ、神々の彫刻で埋め尽くされたゴープラム(塔門)をくぐると、広大な境内が広がります。
境内は複数のプラーカーラ(囲壁)によって区切られており、参拝者は聖なる空間を巡りながら、本殿へと導かれます。
マンダパ(柱廊)の柱一本一本には、神話の場面や神々の姿が驚くほど精緻に彫り込まれており、訪れる者を古代の物語の世界へと誘います。
この寺院の建築で特筆すべきは、ラーフが祀られている祠の存在です。
通常、ナヴァグラハ寺院では、ラーフは他の八つの惑星神と共に祀られるか、比較的小さな祠に単独で祀られることがほとんどです。
しかし、ここではラーフが王者のような威厳ある姿で祀られています。
これは極めて珍しいことであり、この寺院がラーフ信仰においていかに特別な場所であるかを物語っています。
ティルナーゲーシュワラムのナーガナータ寺院を訪れる人々の目的は様々ですが、その多くはラーフ・ドーシャからの解放を求めてやってきます。
インド占星術では、個人のホロスコープにおけるラーフの位置によって、結婚の遅延、夫婦関係の不和、子宝に恵まれない、経済的な困窮、原因不明の病気といった様々な困難が生じると考えられています。
この寺院で心からの祈りを捧げ、ミルク・アビシェーカムなどの儀式に参加することで、ラーフ神の恩寵を受け、これらの障害が取り除かれると固く信じられています。
ティルナーゲーシュワラムのナーガナータ寺院は、単なる歴史的建造物ではありません。
それは、古代の神話が今なお息づき、人々の切実な祈りが天に届く場所です。
影の惑星ラーフの恩寵を求める人々、蛇の王たちの伝説に心を寄せる人々、そして南インドの荘厳な精神文化に触れたいと願うすべての人々にとって、この寺院は忘れがたい魂の巡礼となることでしょう。
■寺院の詳細■
・場所:
ナーガナータ寺院(ティルナーゲーシュワラム)
・主神:ナーガナータ神(シヴァ神)
・特徴:ナヴァグラハのラーフが祀られ、ラーフの悪影響を取り除くことで有名
・建築:ドラヴィダ建築
・歴史:寺院の礎は10世紀頃、初期チョーラ朝の王、アーディティヤ1世によって築かれたとされる
■このプージャー・サービスの内容■
・ナーガナータ寺院(ティルナーゲーシュワラム)でのアルチャナ(神前において僧侶が名前を奏上する儀式)
※お申し込み日(ご入金日)より
2週間後(+14日)からご希望の日程をお選びいただけます。寺院の都合により第1希望での実施が難しい場合があるため、第3希望までの日程をご入力ください。
※2〜3ヶ月後に、プージャーのプラサーダムをお送りいたします(写真は付属いたしません)。
※お申し込み時に、祈願者名、ナクシャトラ(未記入でも可。必要な場合は生年月日・誕生地住所・誕生時間をお知らせいただければ、確認させていただきます)をお知らせください。
※1回のお申し込みで、同じ姓のご家族4名様までご参加いただけます。
※お送りするプラサードは1回のお申し込みにつき1名様分のみとなります。人数分のプラサードをご希望の場合は、人数分のお申し込み数が必要となります。
※ご家族でお申し込みいただいた場合、実施寺院によっては、「Yamada Family」などと家族の姓でまとめて実施される場合があります。個人名での実施をご希望の場合は、1回のお申し込みにつき、1名様分のみの情報をご記入ください。
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