■マーサーニー・アンマン寺院について■

インド南部、緑豊かなタミル・ナードゥ州アナイマライの丘に佇むマーサーニー・アンマン寺院は、単なる礼拝の場ではなく、特別な意味を持つ聖地として人々に深く信仰されています。
この古刹は、正義を求める者にとっての「裁きの場」、病に苦しむ人々にとっての「癒しの場」、さらには困窮者のための「救済の場」として機能し、神聖な力が現実の問題に直接関わる場として、多くの信仰を集めてきました。

寺院の起源には、不正に対する怒りと神の力を語る壮絶な神話が伝えられています。
かつてこの地を支配していた邪悪なナンヌラン王は、アリヤール川のほとりにある貴重なマンゴー園を厳しく管理し、実を取った者には死刑を宣告するという冷酷な掟を布告していました。

ある日、川で水浴びをしていたひとりの少女のもとに、マンゴーの実が流れつきます。
少女は王の掟を知らぬままその実を口にしましたが、王は少女の無実の訴えや村人たちの嘆願にも耳を貸さず、非情にも処刑を命じてしまいます。
この理不尽な裁きに怒った村人たちは立ち上がり、反乱を起こして王を打ち倒しました。

少女の死を悼んだ村人たちは、火葬場の砂を用いて少女の横たわる姿を模した像を作り、祠を建てて神格化しました。
こうして不正の犠牲者であった少女は、正義を司る女神へと生まれ変わります。

興味深いことに、この女神はインドの叙事詩『ラーマーヤナ』にも関わりを持つとされています。
シーター女神を救出する旅の途中、ラーマ神がこの地を訪れた際、火葬場の土を用いて横たわる女神像を造り、礼拝を捧げたと伝えられています。
この神話は、マーサーニー・アンマンの独特な横臥姿勢の神聖な由来を語ると同時に、地域の民間信仰と偉大な叙事詩の世界とを結びつけています。

寺院の創建に関する歴史は、西暦1000年以前にまで遡るとされます。
この地域は古くから人々が定住していた重要な地であり、サンガム文学にもその名が記されています。
寺院の発展は、偉大な建築王朝として知られるチョーラ朝（9〜13世紀）の時代に大きな転機を迎えたとも伝えられています。
創建当初は村人たちによって質素に建てられた祠でしたが、長い時を経て、人々の奉納により幾度となく改築や拡張が重ねられてきました。

この寺院で最も印象的なのは、本尊として祀られる巨大な横臥像です。
天を仰ぐように仰向けに横たわる姿は、インド全体でも極めて珍しく、頭から足元までを一望するその荘厳な姿は訪れる人々に強い印象を与えます。
この姿は、理不尽に命を奪われた少女の姿と、ラーマ神による信仰の両方を象徴していると考えられています。

女神像は四本の腕を持ち、それぞれに象徴的な品を携えています。
色鮮やかに彩られた像の足元には、女神に敗れた悪魔の像も添えられています。

寺院の建築様式は、伝統的なドラヴィダ様式を踏襲しています。
高くそびえるゴープラム（門塔）や精緻な彫刻、色彩豊かな装飾が施され、その神聖さを視覚的にも感じさせてくれます。
とりわけ注目すべきは、寺院が実際に火葬場の上に建てられたと伝えられる点であり、これは少女の犠牲と深く結びついています。

この寺院の最大の特色は、人々の願いに対する実践的なご利益にあります。
中でも「ニーティ・カル（正義の石）」での唐辛子を使った儀式は極めて重要とされます。
不正に苦しむ人々は、赤唐辛子を石臼で挽いてペーストにし、それを正義の石に塗りながら、悪事が正されることを祈願します。

また、女性の健康や子宝を願う人々には、特別なプラサード（聖なる供物）が与えられます。
これを口にし、女神の加護が込められた黒い糸を身につけることで、不妊や思春期の健康問題に対するご利益があるとされています。
そのほかにも、願い事を書いた紙を女神像の手に結ぶ慣習、病気治癒を願う周回、さらには泥で作られた赤子の像を奉納する信仰も続けられています。

マーサーニー・アンマン寺院は、古代から現代へと脈々と続く「生きた信仰」の象徴です。
不正への怒りから生まれた女神は、今もなお、苦しむ人々の希望となり、正義を願う者たちのよりどころとして存在し続けています。
この寺院は、神聖な力が人々の暮らしに直接寄り添うという、インド民衆信仰の本質を体現する特別な聖地として佇んでいます。

■寺院の詳細■

・場所：マーサーニー・アンマン寺院（ポッラーチー）

・主神：マーサーニー・アンマン女神
・特徴：正義を願う者たちのよりどころであり、様々な現世利益があることで有名
・建築：ドラヴィダ建築
・歴史：西暦1000年以前にまで遡るとされる

■このプージャー・サービスの内容■

・マーサーニー・アンマン寺院（ポッラーチー）でのアルチャナ（神前において僧侶が名前を奏上する儀式）

※お申し込み日（ご入金日）より２週間後（＋14日）からご希望の日程をお選びいただけます。寺院の都合により第１希望での実施が難しい場合があるため、第３希望までの日程をご入力ください。
※２〜３ヶ月後に、プージャーのプラサーダムをお送りいたします（写真は付属いたしません）。
※お申し込み時に、祈願者名、ナクシャトラ（未記入でも可。必要な場合は生年月日・誕生地住所・誕生時間をお知らせいただければ、確認させていただきます）をお知らせください。
※１回のお申し込みで、同じ姓のご家族４名様までご参加いただけます。
※お送りするプラサードは１回のお申し込みにつき１名様分のみとなります。人数分のプラサードをご希望の場合は、人数分のお申し込み数が必要となります。
※ご家族でお申し込みいただいた場合、実施寺院によっては、「Yamada Family」などと家族の姓でまとめて実施される場合があります。個人名での実施をご希望の場合は、１回のお申し込みにつき、１名様分のみの情報をご記入ください。

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