ゴーヴァルダナ・プージャー
ゴーヴァルダナ・プージャーについて
ゴーヴァルダナ・プージャーは、およそ5日間にわたって盛大な祝福が続くディーワーリーの4日目にあたり、クリシュナ神を讃える祝祭として知られます。
カールッティカ月(10月〜11月)のシュクラ・パクシャ(新月から満月へ向かう半月)の1日目がその日にあたります。
ゴーヴァルダナ・プージャーには、バーガヴァタ・プラーナに記されたクリシュナ神とインドラ神にまつわる神話があります。
人々が雷雨の神であるインドラ神ではなく、身近にある食物をもたらす大地や、雲を生み出すゴーヴァルダナ山を礼拝し始めた時、インドラ神はひどく怒り、7日間に渡って大雨を降らせました。
この時、クリシュナ神は小指で持ち上げたゴーヴァルダナ山を傘とし、人々や大地を大雨から守ったと伝えられます。
その日が、ディーワーリーの4日目にあたると信じられます。
ゴーヴァルダナ・プージャーは、「食事の山」を意味する「アンナクータ」とも呼ばれ、56種類もの食事をクリシュナ神に捧げて礼拝をする慣わしがあります。
クリシュナ神は、ヴァスデーヴァとデーヴァキーの8番目の子どもであり、満月から新月に向かう8日目(アシュタミー)に生まれたと信じられます。
そんなクリシュナ神は、幼少の頃、1日に8食の食事をとっていたと伝えられます。
インドラ神が7日間に渡って雨を降らせた時、クリシュナ神は7日間に渡ってゴーヴァルダナ山を持ち上げ続けました。
その間、クリシュナ神が食事をとることはなかったといわれます。
1日に8食をとるクリシュナ神であったために、人々は7日間分の食事(8食×7日間=56食)となる56種類の食事を捧げて、クリシュナ神を礼拝すると伝えられます。
私たちの平和な暮らしの中には、大自然の恵みという大きな力が働いています。
生きるために欠かすことのできない身近にある食事を通じて、万物の源としてのクリシュナ神を礼拝することは、大自然を守りながら平和な社会を生み出すための何よりもの機会になるでしょう。