春のナヴァラートリ
春のナヴァラートリについて
春のナヴァラートリは、9日間にわたって女神たちを讃える盛大な祝祭です。
チャイトラ月(3月〜4月)の新月を過ぎてから、9日間にわたって祝福されます。
ナヴァラートリとは、ドゥルガー、ラクシュミー、サラスワティー女神をお奉りするヒンドゥー教の三大祭典のひとつです。
「ナヴァ」はサンスクリット語で9をあらわし、「ラートリ」は夜を意味します。
したがって、ナヴァラートリとは、9日間の夜となります。
この祭典は、春と秋の年2回、9日間にわたって行われます。
ヒンドゥー教のカレンダーでは、月齢にしたがっているために毎年開催時期が多少前後しますが、春は3月〜4月、秋は9月〜10月に行われます。
ナヴァラートリの9日間は、礼拝する神さまに応じて、3日間ずつに分けられます。
はじめの3日間は、わたしたちの心の中に潜む不純物や悪徳、欠点を破壊するため、強力な戦士でもあるドゥルガー女神を礼拝します。
次の3日間は、すべての帰依者に尽きることのない富と幸福を授けるといわれるラクシュミー女神を礼拝します。
そして、最後の3日間は、創造主ブラフマーの妻であり、学問と芸術、そして叡智を授ける女神であるサラスワティー女神を礼拝します。
わたしたちは人生のさまざまな局面で、神々からの祝福を求めて、3つの側面をもつそれぞれの女神さまにお祈りを捧げます。
そのために、この祭典には9日間が費やされます。
ナヴァラートリの期間中、真摯な帰依者の中には、断食をしながら、健康や繁栄を願って祈りを捧げる人々もいます。
自分自身の日々の生活を見つめ直して、人生の向上につながる新しい習慣をはじめるには、昔からナヴァラートリはこの上ない吉祥の日であるといわれています。
9日間を通じ、女神のさまざまな姿を見つめ自分自身の心と向き合った後、訪れるのがラーマ神の降誕祭であるラーマ・ナヴァミーです。
ヴィシュヌ神の化身でもあるラーマ神は、正義や美徳の象徴であり、悪を倒す為に弓を持ち戦いに赴きます。
9日間の夜を通し自分自身の内に気づきという光を灯すことによって、人は無知である暗闇、悪を倒します。
そして、この正義の誕生という日に盛大なる祝福を捧げます。
ナヴァラートリは、自身の内面に潜む不浄な傾向を克服するために、非常に重要な期間とされています。
この神聖な期間を活かして、自分自身の内面に潜む悪を討ち滅ぼすことができるよう過ごされてみるとよいでしょう。