ジャヤー・パールヴァティー・ヴラタ
ジャヤー・パールヴァティー・ヴラタについて
ジャヤー・パールヴァティー・ヴラタは、主にインド西部の地域、特にグジャラート州や一部のマハーラーシュトラ州で行われる伝統的な断食の儀式です。
この儀式では、結婚生活の幸福、家族の健康、そして繁栄を願い、女性たちがシヴァ神の妻であるパールヴァティー女神に祈りを捧げます。
パールヴァティー女神は、献身的な妻の象徴であり、女性の力の具現とされています。
このジャヤー・パールヴァティー・ヴラタを通じて、女性たちはパールヴァティー女神の祝福を求め、調和の取れた充実した結婚生活を築くことを願います。
このヴラタは、ヒンドゥー暦のアーシャーダ月(6月〜7月)の間に、5日間にわたって行われます。
儀式は、シュクラ・パクシャ(新月から満月へ向かう半月)のトラヨーダシー(13日目)に始まり、クリシュナ・パクシャ(満月から新月へ向かう半月)のトリティーヤー(3日目)に終わります。
期間中、人々は毎日プージャー(祈りの儀式)を行い、花や果物、お菓子をパールヴァティー女神に捧げます。
また、女神に捧げる賛美歌や祈りを唱え、ジャヤー・パールヴァティー・ヴラタに関連する物語(カター)を朗読します。
ジャヤー・パールヴァティー・ヴラタには、あるバラモンの夫婦にまつわる神話があります。
夫婦はシヴァ神を信仰し、毎日寺院でシヴァ神に祈りを捧げていました。
ある日、夫婦は天から「ある森の中に、誰も礼拝を行わないシヴァリンガムがある。そこに行って礼拝を行うと、願いが叶う」という啓示を受けます。
子どもに恵まれずにいた夫婦は、この啓示を喜び、森へ向かいました。
夫婦は森の中でそのシヴァリンガムを見つけると、礼拝を行うために夫は花を探しに行きました。
しかし、夫は途中で蛇に噛まれ、意識を失ってしまいます。
妻は夫が戻らないことを心配し、夫の安全を熱心に祈りながら夫を探しに出かけます。
シヴァ神はこの妻の真の信仰心を見て、夫の意識を取り戻させました。
その後、夫婦がシヴァリンガムに祈りを捧げると、子どもに恵まれたと伝えられます。
ジャヤー・パールヴァティー・ヴラタは、家族の絆を強化し、献身と規律を養う深い精神的な儀式です。
このヴラタを守ることで、女性たちはパールヴァティー女神の祝福を得て、幸福な結婚生活を送るだけでなく、忍耐や献身、そして逆境に耐える力を養うことができると信じられています。