ティルヴァーティライ(アルドラ・ダルシャナ)
ティルヴァーティライ(アルドラ・ダルシャナ)について
ティルヴァーティライは、主に南インドのタミル・ナードゥ州やケーララ州で祝福される祝祭です。
この祝祭は、タミル暦のマールガリ月(12月〜1月)の満月の日、また、ティルヴァーティライ・ナクシャトラ(アールドラー・ナクシャトラ)に祝福されます。
それ故、この祝祭はアルドラ・ダルシャナとも呼ばれます。
ティルヴァーティライ(アルドラ・ダルシャナ)は、シヴァ神の舞踏である「ナタラージャ」を祝福する栄光に満ちた祝祭であり、シヴァ神の聖地であるチダンバラムでは10日に渡って祝福が行われます。
ティルヴァーティライ(アールドラー)は、ナタラージャ神のナクシャトラ(バーススター)と考えられ、一年でもっとも長い夜にあたるとされます。
タミル語でティルヴァーティライという言葉は、シヴァ神によって宇宙が創造されたときに用いられた「神聖な大きな波」を意味するともされます。
生まれを持たないシヴァ神にナクシャトラはありませんが、シヴァ神が聖者であるパタンジャリとヴィヤーグラパダの前にナタラージャ神として姿を現したのは、ティルヴァーティライ・ナクシャトラ(アールドラー・ナクシャトラ)の吉日であったと伝えられます。
パタンジャリは大蛇のアーディ・シェーシャの化身であり、ヴィヤーグラパダは虎の足をもつ聖者と伝えられます。
一説に、ヴィシュヌ神が大蛇のアーディ・シェーシャの上で休んでいると、アーディ・シェーシャはヴィシュヌ神が深い考えの中にあることに気づき、ヴィシュヌ神に何を考えているのか尋ねました。
ヴィシュヌ神は、シヴァ神の舞踏を思い起こしていると伝えます。
そして、その素晴らしい舞踏を目にしたいという願望をアーディ・シェーシャに呼び起こしました。
するとヴィシュヌ神は、アーディ・シェーシャにチダンバラムで厳格なタパス(苦行)を行うように促します。
アーディ・シェーシャはその助言に従い、長きに渡りシヴァ神に祈り続けました。
同じ頃、同じ場所にヴィヤーグラパダとして知られるシヴァ神を崇拝する聖者がいました。
ヴィヤーグラパダは、夜明けにシヴァ神に捧げるための蜜蜂に触れられていない純粋な花を摘むために、虎の足を手に入れたと伝えられる聖者です。
ヴィヤーグラパダもまた、ナタラージャの舞踏を目にするために、厳しいタパス(苦行)を行いました。
そしてシヴァ神は、パタンジャリとヴィヤーグラパダの祈りと献身に満足し、ティルヴァーティライ・ナクシャトラ(アールドラー・ナクシャトラ)の日にチダンバラムでナタラージャの舞踏を披露します。
それ以降、この日はシヴァ神の「ナタラージャ神」としての姿が熱心に礼拝される日になったと伝えられます。