マツシャ・ジャヤンティー
マツシャ・ジャヤンティーについて
マツシャ・ジャヤンティーは、ヴィシュヌ神の魚の化身であるマツシャ神の降誕日として崇められます。
チャイトラ月(3月〜4月)のシュクラ・パクシャ(新月から満月へ向かう半月)のトリティーヤー(3日目)がその日にあたります。
ヴィシュヌ神はこの世界に危機が生じた時、世界を守るために特別な姿となってあらわれると信じられています。
その最初のアヴァターラ(化身)として崇められるのが、魚の姿をしたマツシャです。
マツシャは、起ころうとしていた大洪水から世界を救ったと伝えられる存在です。
ある時、人間の始祖であるマヌ王が川へ入ると、小さな魚が近づいてきました。
放そうとするとも、小さな魚は「大きくなるまで守って欲しい」とマヌ王に懇願します。
マヌ王はその小さな魚をすくいあげ、壺の中で育て始めました。
しかし、小さな魚はみるみる大きくなります。
やがて巨大魚となった小さな魚は、世界に危機をもたらす大洪水が起こることをマヌ王に予言しました。
マヌ王は、その巨大魚がヴィシュヌの化身であるマツシャであることに気づきます。
その後、マヌ王は巨大魚となったマツシャの助けによって大洪水を生き延び、地上に生命を再生させると、人類の始祖となったと伝えられます。
マツシャは、宇宙を清めながら完ぺきな均衡と調和の下に維持するヴィシュヌ神を象徴しています。
マツシャへの礼拝により、魚が池をきれいにするように、さまざまな悪影響が浄化されると信じられています。
一説には、ヴァーストゥの引き起こす影響を浄化すると伝えられます。
また、魚が流れに反しながらも源流に向かって泳げるのは、流れに身を任せる術を知っているからであり、私たちが常に神々に身を任せながら、その源へ向かって歩み続けることを象徴しているともいわれます。