マウニー・アマーヴァシャー
マウニー・アマーヴァシャーについて
マーガ月(1月〜2月)の新月は、沈黙の新月を意味するマウニー・アマーヴァシャーと呼ばれ、霊性修行を行うとりわけ重要な新月にあたります。
インドでは、1月にマカラ・サンクラーンティを過ぎると、太陽が北へ回帰するウッタラーヤナ(冬至から夏至の6ヶ月間)に入り、神々の昼が始まります。
その神聖な時に迎える最初の新月は、霊性修行を行う重要な時であるといわれます。
満ち欠けをする月は、変化をする心の象徴として捉えられてきました。
喜びや悲しみ、慈しみや憎しみ、月はそうした変化に富む心のようであり、実際に月の満ち欠けのエネルギーは、人の心に大きな影響を与えるといわれます。
この神聖な新月の時、心の平安を得るために実践されるのが、沈黙の行いです。
沈黙は、マウナと呼ばれるヨーガの修練のひとつであり、霊性を育む大切な術として広く実践されています。
実際にヨーガの修練においては、自分自身の本質に気づくための行いとして、頻繁に沈黙を実践する時間が設けられます。
心にふとあらわれる感情や思考から生まれる言葉に、私たちは自己を重ねがちであり、結果として自分自身の本質を見失うことがあります。
湧き出る感情や思考のままに言葉を操り、その結果に苦しむことも少なくありません。
しかし、嘘をつくことがない沈黙は、常に変わらずにある自分自身の本質に気づかせ、確かな平安をもたらしてくれます。
心に大きな影響を与える月と向かい合う吉兆なこの時、少しの時間でも沈黙を保つことで、美しい静寂の中に自己の真実があり、大きな平安があることに気づくことができるでしょう。