ヴァイクンタ・チャトゥルダシー
ヴァイクンタ・チャトゥルダシーについて
ヴァイクンタ・チャトゥルダシーは、ヴィシュヌ神とシヴァ神を讃える吉日です。
カールッティカ月(10月〜11月)のシュクラ・パクシャ(新月から満月へ向かう半月)の14日目がその日にあたります。
ヴァイクンタ・チャトゥルダシーは、シヴァ神が神聖な武器であるスダルシャナ・チャクラをヴィシュヌ神に授けた日と伝えられます。
ヴィシュヌ神がシヴァ神を礼拝するために、1000の蓮の花を捧げていた時のことでした。
1000個目の蓮の花がないことに気づいたヴィシュヌ神は、足りない蓮の花の代わりに、蓮のようだと称される自らの片目を捧げ、シヴァ神がその献身さに心を動かされたからだと伝えられます。
スダルシャナ・チャクラは、太陽の炎から生まれた、あらゆる悪を滅ぼす強力な円盤型の武器といわれます。
まるで輪廻の世界をあらわしているように見えるこのスダルシャナ・チャクラには、ある有名な神話が伝わります。
父親のダクシャから結婚を反対され、焼身をはかった妃のサティーを思い悲しみにくれていたシヴァ神は、サティーの身体を抱え破壊の踊りを踊りました。
ヴィシュヌ神は、その破壊の踊りを止めようと、スダルシャナ・チャクラでサティーの身体を切り裂きます。
シヴァ神は、サティーの身体が切り裂かれた後、正気を取り戻したと伝えられます。
肉体や物質に対する執着や欲望は誰しもが抱くものであり、その執着や欲望という暗闇の中で、人は大きな苦難を経験し、輪廻を繰り返すと伝えられます。
スダルシャナ・チャクラは、そういった執着や欲望を断ち切り、輪廻からの解放をもたらす強力な武器として崇められます。
常日頃、太陽の炎でできたこのスダルシャナ・チャクラを思うことでその光を知り、あらゆる悪は滅ぼされるとともに魂の解放を得ることができるでしょう。