カルヴァー・チャウト
カルヴァー・チャウトについて
カルヴァー・チャウトは、主に北インドで行われる既婚の女性たちによる祈りと断食です。
カールッティカ月(10月〜11月)のクリシュナ・パクシャ(満月から新月へ向かう半月)の4日目に祝福されます。
カルヴァー・チャウトは、結婚生活のさらなる繁栄と夫の健康を願って行われます。
早朝、身を清めた女性たちは、陽が昇る前に果物などの食事をとり、その後は日没まで完全な断食を行います。
陽が沈み、月の光が現れた頃、プージャーを行い花と水を月に捧げます。
女性たちは、夜空に浮かび上がった神秘的な月の光をふるいを通して拝みます。
その後、ふるいを通して夫の顔を見て、カルヴァー(ポット)に入った聖水を飲み、断食を終えます。
ふるいを通して月と夫の顔を見ることは、直接の視線を避けることで神聖さを保ちつつ、良いものだけを取り入れるという意味が込められています。
このカルヴァー・チャウトの断食は、シヴァ神とパールヴァティー女神に捧げられるものといわれます。
シヴァ神のために厳しい苦行を行ったパールヴァティー女神のように、女性たちはこの厳しい行いを通じて、夫の幸せと円満な結婚生活を祈ると伝えられています。
女性たちは結婚時を象徴する赤色などのサリーを身にまとい、メーヘンディー(へナ)やバングルで美しく着飾ります。
家族間ではプレゼントが交換され、プージャーが行われます。
女性たちが集まり、カルヴァー・チャウト・カター(カルヴァー・チャウトの神話の読誦)が行われる慣習もあります。
この慣習は、結婚した女性たちが結婚生活を通じて得るさまざまな問題を女性たちの間で共有し助け合うことから始まったと伝えられます。
また一説には、北インドを支配するムガル帝国と戦うため、戦地へと赴く夫の健康と幸福を女性たちが祈っていたことに起源があるとも伝えられています。