ガネーシャ降誕祭
ガネーシャ降誕祭について
ガネーシャ降誕祭は、ガネーシャ・チャトゥルティーとしても知られる祝祭です。
バードラパダ月(8月〜9月)のシュクラ・パクシャ(新月から満月へ向かう半月)の4日目から、およそ10日間にわたって祝福されます。
シヴァ神とパールヴァティー女神の息子であり、世界中で愛されるガネーシャ神の誕生には、とても有名な言い伝えがあります。
ある時、パールヴァティー女神が身体から出た垢から人形を作り息吹を与えると、美しい息子が生まれました。
その息子に門番を頼み入浴をしていると、夫であるシヴァ神がやってきます。
門番をしていた息子はシヴァ神が父親だと分からず、またシヴァ神も門番が息子だと気がつかず争いになり、シヴァ神は息子の頭を切り落としてしまいます。
パールヴァティー女神はひどく怒り悲しみました。
困ったシヴァ神は、最初に出会った動物である象の頭を息子に与えます。
こうして、愛らしい象の頭を持つガネーシャ神が生まれたと伝えられます。
その後、頭を失った息子を哀れに思ったシヴァ神とパールヴァティー女神は、ガネーシャ神に、あらゆる面でまず始めに礼拝される神としての地位を与えます。
あらゆる面で最初に礼拝されるようになったガネーシャ神は、障害を取り除く神格として広く崇められるようになりました。
そうして崇められるガネーシャ神の姿には、障害を克服しながら、幸せに生きるための方法を見ることができます。
ガネーシャ神は、「一本の牙」を意味する「エーカダンタ」という名前で崇められることがあります。
ガネーシャの牙が一本である理由にはさまざまな神話が伝わりますが、その一つに、聖仙ヴィヤーサとの神話が伝わります。
大きな耳を持ち、注意深く聞くことができる能力を持つガネーシャ神は、聖仙ヴィヤーサから「マハーバーラタ」を書き記して欲しいと頼まれました。
その重要性を理解したガネーシャ神は、自らの牙を折り、その牙でマハーバーラタを書き記したと伝えられます。
マハーバラタを書き記すという偉業を成し遂げたガネーシャ神には、自らの牙を折るという犠牲の精神がありました。
エゴを持つ私たちは、思い通りにならない状況に障害を見出し、自分自身に限界を定め、幸せを遠ざけていると伝えられます。
何よりも始めに礼拝すべき存在であるガネーシャ神の姿は、まずはじめにエゴを取り除く必要があることを伝えているといわれます。
ガネーシャ神の姿から犠牲の精神を学ぶことで、障害を克服するための知識や知恵が与えられ、成功を達成するための力を発揮することができるでしょう。