ナーガ・パンチャミー
ナーガ・パンチャミーについて
ナーガ・パンチャミーは、シュラーヴァナ月(7月〜8月)のシュクラ・パクシャ(新月から満月へ向かう半月)の5日目(パンチャミー)に祝福される蛇神を礼拝する吉日です。
この時期に祝福されるナーガ・パンチャミーは、雨季に入り水かさが増え、さ迷い出る蛇の被害を受けないように祈りを捧げたことが始まりと伝えられます。
インドでは広く、蛇は多産や豊穣の象徴とされ、また脱皮を繰り返す姿が輪廻と不死の象徴として崇められてきました。
宇宙を維持するヴィシュヌ神は、永遠を意味する「アナンタ」という大蛇に横たわり眠っています。
私たちの内に存在する根源的な生命エネルギーもまた、尾てい骨に蛇のようにとぐろを巻いて眠っているといわれます。
「クンダリニー」と称されるそのエネルギーは、古代より、多くの探求者がその覚醒に努めてきたものに他ありません。
一方で、シヴァ神は首にぐるりと三周巻きついた蛇と共に描かれます。
三周の蛇は、過去、現在、未来の三つのサイクルを象徴していると伝えられ、それを身につけるシヴァ神は、心の動きによって生じる「時」を超越した、永遠の存在であることを示していると伝えられます。
夏至を過ぎ、冬至に向かい始めるこの時期は、夜が少しずつ長くなり、人々の心に大きく作用する冷たい月の影響が出てくるといわれます。
この時に慈悲深いシヴァ神に祈りを捧げることで、苦悩を生み出す心の働きは静まり、あらゆるネガティブな質を制御することができると信じられます。
また、生涯を通じて多くの苦悩を与えると伝えられるカーラ・サルパ・ドーシャを持つ人は、このナーガ・パンチャミーに祈りを捧げることが勧められています。