シャニ・ジャヤンティー

シャニ・ジャヤンティーについて

シャニ・ジャヤンティーは、土星の神であるシャニ神の降誕祭として知られ、ジェーシュタ月（５月〜６月）の新月に祝福されます。

インドの文化では、惑星が私たちの人生に直接的な影響を及ぼすという信念が深く根付いており、特に土星の神であるシャニ神の影響力は大きいと伝えられています。
それは、シャニ神が人々に多くの試練をもたらす惑星であると信じられていることに理由があります。

シャニ神を礼拝する時、人々は黒い衣服を身につけ、黒い花や黒ゴマ、マスタード・オイルなどを捧げます。
シャニ神自身も、真っ黒な姿で描かれます。
しかし、シャニ神はその黒さとはかけ離れた、輝く太陽神スーリヤの子どもであると伝えられます。
このシャニ神の誕生には、さまざまな神話が伝えられます。

一説に、スーリヤ神と結婚をしたサンジュニャーは、スーリヤ神の強すぎる熱に耐えられず、自身の影（チャーヤー）を置いて、スーリヤ神のもとを去りました。
この影であるチャーヤーとの間に生まれた子どもがシャニ神であると伝えられます。

また、チャーヤーはシヴァ神への強い信仰から、シャニ神を身ごもっている間にも厳しい苦行を続け、食事を省くこともありました。
この苦行が、シャニ神を真っ黒にしたといわれています。

父親であるスーリヤ神は、シャニ神が輝きを持たずに生まれたことから、チャーヤーを疑いの目で見続けます。
チャーヤーの厳しい苦行から、シャニ神は非常に強い力を持っており、母親であるチャーヤーに疑いを持つスーリヤ神と敵対するようになったとも伝えられます。

シャニ神は、ホロスコープ上の配置によって、人々にさまざまな試練を与えると信じられる惑星です。
愛する者との別れ、大きな損失、身体的な苦痛など、その苦しみは計り知れないといわれます。
しかし、それら物質的な苦難はどれも、私たちの精神的な成長を促すものです。

厳格な師としても崇められるシャニ神は、より良い道を歩むことができるよう私たちを導く存在です。
人々が熱心にシャニ神へ祈りを捧げる姿は、心からの祈りによって、どんな苦難も克服できることを象徴しています。